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2010年11月08日

路地裏の名店に想う

11月3、4日と今年最後の仕入れに東京に行ってきた。来春のレディス・エリオポールの仕入れ。エリオポールはアルバーノという店名にする前から扱っている。イタリアンクラシックのアルバーノの中ではちょっと異色なフレンチテイストではあるが、作りも大変良く今では欠かせないブランドだ。予定通りオーダーを済ませ渋谷に向かう。
今回の出張でどうしても寄りたい店があった。渋谷から歩く事10分強。青山学院大学の手前を曲がり、しばらく行くとその店はあった。路地裏に佇む店。中に入ると白を基調にした店内に商品は整然と置かれ、壁には写真、洋書がアクセントになっている。高級感あふれるクロージングショップ「STEVE」。初めてお会いしたオーナーの石内さんは、落ち着きのあるジェントルマン。しばし歓談。クロージングはナポリメイド。レザーはセラファン、シャツはフライ、パンツはロータ、靴はエドワードグリーン。流行とは無縁の逸品が並ぶ。
実はアルバーノもこの店から、ステファノビジのネクタイを分けてもらっている。今では日本での人気も定着したビジのタイだが、石内さんが見つけて日本に紹介したそうだ。石内さんは長年東京のイタリアンショップに勤められた後独立され、今は自分の目にかなった商品に囲まれて商売されている。オーダーをするためにイタリア、フランスへ行かれるそうだ。ナポリの服は完全オーダーメイド。サルトリア・サビーノ、サルトリア・レオナルド。自店用に形、サイズを細かく変更し、それを既製服として扱っておられる。日本にここにしかないオリジナルモデルだ。スティーヴのスタイル。
いろいろご苦労はあると思うが、イタリア服スーツ屋を長年やっている僕達にも本当の意味でロマンであり、信念を持ってお客様にそれを提供し喜んでもらえる究極のスタイルだ。
商売のスタイル、洋服屋のスタイルは色々ある。今のアルバーノのスタイル、商品構成。自問自答する。自信を持ってやってきた事だ。不満はない。
人気ブランドとも出会い、厳しい時代だがなんとか乗り切っている。でも、それが長く続くとは思っていない。流行りすたりがあるのがこの世界だ。
石内さんのスピリットには数年後のアルバーノが壁に当たった時、迷った時、洋服にどう向き合えばよいかのヒントが隠されているような気がした。
数年後のアルバーノ、皆さんぜひ注目して下さい。

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