僕が横浜に憧れる理由の一つは、オリジナルの宝庫だからだ。
そして、僕達商人にとって商売を広げていく事はビジネス的に当然だ。
人気店・名店は日本中からオファーがきて、誘惑も大きいと思う。
そんな儲け話に目もくれず、地元に根付きその土地、その空間の中で価値観を高めていく店もある。そういう店の人達が言うのは、「ビジネスに拘るならば拘ればいい。自分達は今のスタイルで満足だ。」僕はそんな頑固な店が好きだ。格好良い。
彼らにとって東京などへ出店するという事は、魂を売った事になるんだろうなぁ。
横浜という土地にそんな頑固な店を探す。
前回和の横浜を堪能した後、旧マイカル本牧附近に向かう。この本牧アメリカンストリートに日本の「アメリカングラフィティ」がある。
ムーンアイズのキャラクターが微笑ましい、カー用品・雑貨の「MOON EYES AREA1」。店頭、店の裏に並ぶアメ車、クラシックカー。車には拘らないがクラシックカーの曲線美は、イタリアンスーツとマリリンモンロー?を彷彿させる。
ムーンアイズはアメリカのライセンスなのか?ちょっとわからないが日本では横浜本牧にしかなく、本牧しか似合わない本牧ブランドだ。ここでしか手にとれない雑貨・衣料品。パーカーとキーホルダーを購入。ローリングストーンズのベロキャラとムーンアイズはお気に入り。僕には本牧土産物屋。車好きには聖地だ。
そろそろお腹もすいてきた。横浜オリジナル老舗洋食店巡り。今日はどこへ行こうか。
地元でしか食べられない名店。僕も雑誌で紹介された店は大体回ったつもりだった。味覚は人によって違う。僕の中で何度も通う好きな店もあれば、1回行けばいいかな。という店もある。ただ一軒スゴイ店を見落としていた。福富町にある「イタリーノ」。イタリアン風洋定食屋。何故かフランスのモンサンミッシェルの古いポスターが?売りのナポリタンをオーダー。昔ながらのナポリタン。太麺にケチャップ、ベーコン、ピーマンはお決まりと思っていたら違った。太いけどヤワヤワ麺。ナポリタンはイタリアにはないけど、ナポリは漁港だからとエビとアサリのシーフード入り。一口食べる。「なんじゃこりゃ?!」思わず松田優作。若者なら「超ヤバイ!」なんかとろけそうな味。ケチャップの味はあまりしない。後にシーフードの香りがほんのり。これは昔ながらのナポリタンとは全く別物。新しい食感「横浜ナポリ風ケチャップうどん」とでも名づけようか?しばらく僕の脳裏にナポリタンショックが残りそう。ミックスグリルも最高だった。俳優の浅野忠信もガン喰いしていたそうだ。わかるわかる。
今回の半日リゾートは、和とナポリタン。新しい発見もあり充実したものだった。まだまだ僕の知らない横浜ブランド、オリジナルた、この土地には沢山潜んでいると思う。前にも書いたがアルバーノも横浜元町店を出すのが夢だと。アルバーノも元町ブランドに混ぜて欲しい。その考えは今も変わらない。でも、アルバーノは富山のオリジナルとして、まず認められなければならない。
僕は夢は夢でいい。と思っている。実現しなくてもいい。でも、商売の夢を聞かれた時、ビジネスとして成功する事より「横浜元町の裏通りにアルバーノ元町店を出す事です。」と答えたい。