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2011年02月22日

男の隠れ家 6

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今週水曜日から東京出張です。秋冬物仕入れもヤマ場。
店内に居座る今季の秋冬物を見ては独り言。「なんでこんな定番物が売れなかったんだろう?」ボヤくと同時に深いため息。好評だった売れ筋のリピート物がサイズが揃って残っているのを見ると、つくづくファッションって思うようにいかないな。と思います。自分で羽織ながら「たまたま今年は縁がなかっただけだよ。来シーズンはきっと売れるさ。」そんなポジティブな僕が好きです。
来シーズン?でも、商品の賞味期限ってどうなんでしょう。
当然内容(定番物かトレンド物か)によっても違うし、店の品揃えの方針によっても違う。(大型店、セレクトショップ等は前のものは出さない。)キレイに処分して次のシーズンに臨みたければ、大幅プライスダウンして売り切るだろうし、長期計画で売るつもりなら来シーズン用に温存する。当店は当然後者です。しかし、賞味期限はちゃんと確認していますよ。何年も居座る個性的な素材・色のものを見て、まだあるのか。と呆れないで下さい。その商品の魅力とマッチする方が現れないだけです。もしかしたら、そのうちあなたがその商品が気になって仕方がなくなる日がくるかもしれません。
男の隠れ家。レコードしか出せない音空間の中でとりとめもない話を今の気分で実況しております。0:30A.M。2Fの隠れ家にてレコードの音の海に溺れています。本当レコードの音は部屋の空気を変えますから。
整理しなきゃと思いながらしていない。あちこちに散らばったレコードの山。目に留まったのは、くわえタバコに眼鏡を額にずらす黒人。オレンジのジャケットが印象的なレコード。ルイ・アームストロング。サッチモ。人懐っこい独特のトランペットに温かいボーカル。今は何か温もりが欲しい気分。3曲目大好きなナンバー「THAT OLD FEELING」が流れてきた。沢山の人が歌っているけど、サッチモバージョン。悪いわけがない。味わい深いなぁ。あったまってきたぞ。
続いて古いジャズコーラスグループ、ミルスブラザーズの晩年のアルバム。今頃こんなオヤジのコーラスグループを聴いて喜んでいるのは僕くらいじゃないか?
これまたゴキゲンな「I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter」が流れてきた。いいものはいい。温故知新。ヴィンテージをたずねてトレンドを知る。
いい商品を仕入れる為には、こういう古くいい音楽を聴いて感性を研ぎ澄ませておかないと。僕はそういうやり方だ。売れ筋もいつまで続くかわからない。今日で止まるかもしれない。雑誌を見てチヤホヤされるものばかりに走ってはいけない。日本人はそういうのが特に好きだし、また飽きっぽい。重要なのはやっぱり自分の目であり感性だ。ファッションの世界で生き残っていく為のしきたりだ。音楽、アート、映画、本…。僕の心の鐘を叩いてくれる何か(刺激)を求め、探す。
さぁ水曜から賞味期限の長い、隠れた宝石を捜しに行こう。

2011年02月15日

一期一会2-幻のボリオリ・コート「DAVIS」

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3年前、ボリオリの代理店アマンさんからサンプルが数点送られてきた。いわゆる展示会用に作られた見本品だ。その中にステンカラーのロングコートがあった。厚手コットンのガーメントダイ。色は黒。ただかなり洗いが強く、着古したような風合い。前にブログに書いたボリオリの名作コート(ガーメントダイのピーコート)のステンカラーバージョン。
なんでこんな格好良いコート仕入れなかったんだろう??おそらくかなり高かったからだろうな。サンプルは基本46か48だ。このコートは44。僕が試着してみると細い。サイズはぴったり!さすがボリオリ。何を作らせてもボリオリ流だ。入荷した数日後前回のブログで紹介した彼が来店。僕と同サイズの彼に試着してもらう。「どう?格好良いでしょう?」「うわぁ!これスゴイ。こんな味の出たステンカラー見たことない。」二人で大絶賛!彼はボリオリの全てのモデルを制覇している。ドーヴァーが登場する前の話。クラシックスーツ・ジャケットのE、F、H、Sモデル。ガーメントダイシリーズのコートJK、Pコート、新Pコート、M65。そしてこのステンカラーのガーメントダイの「DAVIS」アマンさんの話ではこの「DAVIS」どの店もオーダーしなかったらしい。と言う事はこのコートをゲットしたのは、日本では彼だけになる。
翌年この「DAVIS」どんなに高くても仕入れる覚悟で展示会に臨んだ。しかし、このコートはコレクションのリストからはずれていた。悔しかった。まさに一年だけ登場した幻のコート。これぞ一期一会。どうも僕の気に入った服は、彼の元に行く運命にあるように思える。数日前その幻のコートを着て彼が来店したので、写真を撮らせてもらった。
洋服だけに限らないが自分の心の中で輝き続ける宝物があるはずだ。それと出会う為探す為、たまにはパソコンを離れ、外へ店へ足を運んでみよう。そこにはきっと素晴らしい何かが待っているはずだ。

2011年02月15日

一期一会1-イタリア服との出会い

一期一会。いい言葉である。人との出会いだけではない、洋服との出会いもある。店のドアをたたき隅から隅まで見回し、ふと目にとまる。直感は大事だ。手にとってみる。それは新しい商品かもしれないし、売れ残って長年おいてあるものかもしれない。一目惚れするものもあれば、長年探し続けていたものかもしれない。
今回一人の男性(お客様)を紹介しよう。彼は身長173cm位だが、かなりヤセ型でサイズは42。僕と同じサイズで歳も近い。彼が初めて来店した時の事は今もリアルに覚えている。7年程前のSALE時だった。彼はそれまでイタリアの服は、ヤセた自分には合わないと思っていた。確かジャケットコーナーにボリオリFモデルの鮮やかなアズーロのコーデュロイジャケットの42が1点が残っていた。キレイだがちょうどハデ目のブルー。僕が自分で着たくて仕入れた渾身の一着。それが彼の目にとまった。彼はそれを試着するやいなや感嘆の声を上げた。
「これカッコイー!サイズもピッタリだし形がすごく美しい。イタリアの服って日本の服とは全然違いますね。」「こんなのを僕は待ってたんですよ。」気持ち良く買って頂いた。それをきっかけに彼はイタリアのボリオリの服の魅力にとりつかれた事は言うまでもない。僕の趣味、基本的にブルー系が大好物。それは彼も同じ。ちょっとクセのあるブルーは売れ残る事が多い。このまま売れ残るようならば、僕が着ればいいかな。と思う頃に彼は来店する。当然彼の目にとまる。そんな事が4,5続いた。毎回2人でその服を賞賛し、試着し合いながら雑談。至福の一時。僕個人の思い入れがつまった一着、それを気に入って気持ち良く買って頂く。バイヤー冥利だ。
お客様と服との一期一会。女性も食べ物も服も好みは人それぞれである。全ての人の欲求を満たすことは不可能である。ただ僕達個人店が、大型店にネット社会に対抗するには、個人店だからこそ出来る独自の品揃えと日本に世界に一つしかない服(エクスクルーシブ)をオーダーする、仕入れることだ。
洋服との一期一会を求めて来店される少数派のお客様の為に。

2011年02月14日

FROM ALBANO WITH LOTS OF LOVE

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今日はバレンタインデー。
男性の皆さんにとっては、いくつになってもドキドキ・ワクワク・そわそわの一日なんでしょうか?どうなんでしょうか??
デパートのチョコ売り場はスゴかったですね。熱気ムンムン。というか殺気立ってました。正直同姓ながら私怖かった…。デス。
我が家でももちろんスペシャルなチョコをプレゼント!なはずだったんです。しかし私ったら来店されたお客様にお渡しする、イタリアのチョコレートをどれにしようかと悩んでいたらうっかり忘れていました。ごめんねー!!我が相方君。
「えっ今更もういいって?」そんな寂しいこと言わないでちょうだいな。
でもまぁチョコは忘れても、日々尊敬の念と感謝の気持ちは忘れずにいますからね!
写真のチョコは、お客様からのプレゼントです。毎年バレンタインの時にチョコを持って来店されます。男性の方なんですが、いつも実に細やかな心遣いをされる方です。年に一度の?ジャンポール・エヴァンのチョコを食す日であります。蓋を開ければもううっとりしてしまうようなチョコのお姿。パッケージも実に洒落てますよね。
*アルバーノから皆々様に沢山の愛をこめて。♪LOVE注入!♪
いたらぬ私達ですがいつもありがとうございます。感謝!感謝!です。
 

2011年02月11日

ジャケットのオブジェ-ボリオリ・コート

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店内奥の売り場がボリオリに占領され約2週間たちます。
お蔭様で早くも連日素敵なジェントルマンがパートナーを探しに訪れ、相思相愛のカップルも次々と誕生しています。
今回嬉しい事にスタートダッシュが良いのが、アルバーノ名物「ボリオリ・コート」です。ガチガチにつまったハンガーラックの間隔が早くも空いてきました。
「ボリオリ・コート」再三にわたってホームページで紹介しているコットンのガーメントダイ。(去年の9月30日のブログに詳しく書いています。)ボリオリのそして、アルバーノの名刺代わりであります。ボリオリの名を世界にしらしめたのは、ドーバー・ワイトでもなくこのコートモデルです。
10年前に登場して以来当店のウインドー、店頭ディスプレイから消えた事はなく、初来店されたお客様には条件反射で勧めてます。(当店唯一の販売マニュアル?!)
「一家に一着」が合言葉。そして、バックヤードに鎮座するのは接客のクライマックスに出番を待つ、僕が着込んで味とにおいが染み込んだデリシャスな熟成7年もの。
まさに黄門様の印籠、金さんの桜吹雪の刺青。だからと言ってお客さんがひれ伏す事はないけれど…。
とにかく売れ残ってもいいつもりで、毎シーズン大量発注しています。年間約80着売って、約800着。毎年コンスタントに売れ続けています。
ボリオリ・コートは、木のハンガーに吊るされて入荷します。ストックにそのハンガーが500本以上たまっています。店内のシャツ・ブルゾン等は全てこのハンガーにかけています。
前にも書いた通りあまり雑誌にも取り上げられず、ひっそりと静かに知的な伊達男に愛され続けるまさにジャケットのオブジェ。
ボリオリを知らない人もジャケット好きな人もジャケットを着る機会の少ない人も、若い人もオヤジもとりあえず羽織れば解る。解れば欲しくなる。今回のスタートダッシュの勢いはいつもとは違う。何か違うぞ。
今のジャケットブームを作ったボリオリ。その本当の意味で原点となったのは、まぎれもなくこのジャケット(ボリオリ・コート)である事に異論はないと思う。

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