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2011年02月15日

一期一会1-イタリア服との出会い

一期一会。いい言葉である。人との出会いだけではない、洋服との出会いもある。店のドアをたたき隅から隅まで見回し、ふと目にとまる。直感は大事だ。手にとってみる。それは新しい商品かもしれないし、売れ残って長年おいてあるものかもしれない。一目惚れするものもあれば、長年探し続けていたものかもしれない。
今回一人の男性(お客様)を紹介しよう。彼は身長173cm位だが、かなりヤセ型でサイズは42。僕と同じサイズで歳も近い。彼が初めて来店した時の事は今もリアルに覚えている。7年程前のSALE時だった。彼はそれまでイタリアの服は、ヤセた自分には合わないと思っていた。確かジャケットコーナーにボリオリFモデルの鮮やかなアズーロのコーデュロイジャケットの42が1点が残っていた。キレイだがちょうどハデ目のブルー。僕が自分で着たくて仕入れた渾身の一着。それが彼の目にとまった。彼はそれを試着するやいなや感嘆の声を上げた。
「これカッコイー!サイズもピッタリだし形がすごく美しい。イタリアの服って日本の服とは全然違いますね。」「こんなのを僕は待ってたんですよ。」気持ち良く買って頂いた。それをきっかけに彼はイタリアのボリオリの服の魅力にとりつかれた事は言うまでもない。僕の趣味、基本的にブルー系が大好物。それは彼も同じ。ちょっとクセのあるブルーは売れ残る事が多い。このまま売れ残るようならば、僕が着ればいいかな。と思う頃に彼は来店する。当然彼の目にとまる。そんな事が4,5続いた。毎回2人でその服を賞賛し、試着し合いながら雑談。至福の一時。僕個人の思い入れがつまった一着、それを気に入って気持ち良く買って頂く。バイヤー冥利だ。
お客様と服との一期一会。女性も食べ物も服も好みは人それぞれである。全ての人の欲求を満たすことは不可能である。ただ僕達個人店が、大型店にネット社会に対抗するには、個人店だからこそ出来る独自の品揃えと日本に世界に一つしかない服(エクスクルーシブ)をオーダーする、仕入れることだ。
洋服との一期一会を求めて来店される少数派のお客様の為に。

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