気の早い話です。昨日のブログで来春夏のボリオリプレコレクションの話をしました。プレコレクションとは?6月にフィレンツェで開催される来春夏新作発表会(展示会)に先駆けて、その一部を僕達店側に紹介したり、今は生産がない時期なので定番物を一足早くオーダーを受け付けて作りこもうということです。
今まででしたらプレコレクションは、今年のコレクションで残った素材を定番ラインに落とし込んで少しプライスダウンして、先行オーダーを受けるという形式でした。ですから、前はプレコレで30%・本コレで70%の割合でオーダーしていました。今は逆です。プレコレで新作素材がでてきます。人気素材はプレコレで売り切れる事もあります。前倒しでオーダーする傾向になってきました。そんな訳でビッグオーダーをするブランドは、今が真剣勝負となります。とりあえず昨日お話したように、70%程決めて一段落しました。
7月の本コレクションでスーツをオーダーしようと思っています。今度はサンプルに裏切られることがないように祈るだけです。コートライン、ドーバー(この秋からソーホーからドーバーへモデル名が戻ります。)等のジャケットも追加オーダーしようと思っています。定番素材、オールシーズン素材は、7月のオーダーも可能です。明日にでも僕が気になっている商品の一部をご紹介しようと思います。一年後のワードロープを想像している方、こんな色が欲しいなと考えている方、ぜひ明日のブログをご覧下さい。
「SONGS FROM THE HEART /ALL OF ME」JOHNNY HARTMAN
昨日・今日と雨が続きうっとうしい梅雨の始まりを告げるかのような週初めです。にもかかわらず晴れ晴れスッキリした気分です。なぜ?何かいいことあったの?いや昨日ボリオリの来春夏のプレオーダーが一段落し、緊張感が抜けたからみたいです。何か先週一週間気が張り詰めていて、大阪・東京と展示会をまわり(横浜でちょっとだけ一休みしましたが…)下見をしてきました。帰ったと同時にボリオリのサンプルが送られてきて、土曜の深夜遅くまで生地スワッチと格闘しておりました。
今秋冬の結果も判らないのに、来年の春夏のことなんて判るかいなっ!とボヤいてもしょうがないです。一年後の店頭の状況をイメージしながら、エース・ボリオリの戦力-コレクション内容・感性・仕入れ数量etc…をフルスロットルで吟味していました。
そんなに細かい性格でなく、人の言う事に耳を貸さない訳でもない僕ですが、こと仕入れに関しては別。かなりナーバスになります。過去に沢山失敗してますから。
今春夏のボリオリのSOHOスーツ。担当者から「前のワイトスーツと名前が変わるだけです。シルエットは変わりません。」と聞いていたのですが、パンツのシルエットは大きく変わっていました。「沢山仕入れたのに聞いてないよぉ~。」そういう事は時々あることです。信用できるのはサンプルです。ところがそのサンプルも時には裏切ることもあります。こんないたいけな僕を裏切るんです。勝手にサイズ変更したり、素材によってものすごく小さく仕上げてきたり、その逆もあったり…。まぁそれでもサンプルを信用するしかありません。僕サイズのサンプルはありませんが、それでも何度も試着を繰り返して、かなり神経質にサイズチェックをします。メンズは同じモデルでもマイナーチェンジをしている場合も十分あります。それを見過ごすと痛い目にあいます。ボリオリ来春夏物(気の早い話ですが)詳しい報告は近々書くこととします。
ムード派の僕としては、真夜中のオーダーに不可欠なのはBGM。これがないとオーダーのイメージがわきません。という事でオーダー時のBGM一番のお気に入り、ジョニーハートマンです。この深みのあるクルーナーボイスは幻想の世界へ僕をいざないます。
ぶかぶかのサンプルが格好良く見えてきました。スーツスタイルに合うBGM?ではBEST3に入るでしょう。彼のボーカルはセックスアピールと細かなニュアンスには女性ファンも多いですが、男の僕も力が抜けとろけそうになります。
「参りました。好きにして下さい。」と訳のわからない言葉がでてきます。皆さんも一度スーツを着てジョニーハートマンを聴いてみて下さい。鏡にうつった自分を見て、きっとこう思うでしょう。「俺ほどスーツが似合う男はいないだろうな。」
やはりファッションは人からどう見られるか、どう評価されるかが重要だと思います。自己満足もありますが、人の目を意識するから服装に拘る。当然異性の視線、同性の視線…。自分の拘り、スタイル、ある程度皆様お持ちだと思います。同時に周囲の方々もあなた対してイメージを持っておられると思います。例えば「あの人は清潔感のあるお洒落をする」「あの人は個性的なお洒落」「あの人はいつも同じような服を着ている」
「あの人はちょっとだらしない感じ」etc。結構見られているものです。
一般的にお洒落に見られる人は、本人の拘りと周囲の人がその人に対して持つイメージと一致している事が多いと思います。紺のスリムなスーツがキマってるとか、シャツはイタリア製の白かブルーでネクタイは紺か赤のソリッドタイで清潔感があるとか…。自分のイメージキャラクターを持つという事は大切な事です。
でも、見方を変えるとその人は安心感を求めていて、冒険できない部分を持っているということもあるかもしれません。お洒落を楽しむ人は、いろんな引き出しを持っていて人から見てもつかみどころがない印象です。今日はグレーのダブルスーツにストライプシャツ。明日は紺のチョークストライプのスーツにクレリックのシャツ。ワードロープはバリエーション豊かです。でもそんな個性派なかなかいないですよね。ある程度イメージが定着している方は、意外性が有効だと思います。その意外性が人の目をひきつけます。そのインパクトが普段のイメージを一層引き立ててくれると思います。紺無地スーツが中心の方は、週一回ライトグレーのストライプスーツにする。白・ブルーのシャツが多い方は、ピンクやチェックのシャツにする。自分なりの意外性を探しましょう。それがお洒落の醍醐味です。
意外性という事では僕達店側も同じなんです。このデザイン、この色は入れても売れないから辞めとこう。なんて品揃えが守りに入ってます。どの店も同じブランド、同じような内容になり独自性に欠けてきているような気がします。自分流と意外性のバランス。ここに挑戦する事でお客様も店も更にステップアップできるのではないかと思います。
「There's one in every crowd」Eric Clapton
直訳すると、どんな群衆の中にでも必ずそんな男はいる-人にはそれぞれの生き方があり、キミはキミのやり方で生きて行き俺は俺の道を歩いていく…。
そんな格好良いタイトルTHERE'S ONE IN EVERY CROWD。日本名「安息の地を求めて」1975年。
何を隠そう僕がクラプトンの中で一番好きなアルバムである。全国のクラプトンファンの皆様僕ってヤワですか?ドラックで死の淵を彷徨い生還したクラプトン。ジミヘンやジャニスは伝説になったけど、クラプトンは生きていてくれて良かった。
拝啓 親愛なるクラプトン様
思春期中学時代、洋楽と出会い名作「461」であなたを知り、それ以来クリームを擦り切れるくらい聴き、デレク&ドミノス「レイラ」を一日中かけて狂っていた時もありました。そんなハードでアグレッシブなギター弾き。勿論大好きです。復帰後生まれ変わりリラックスした新生クラプトン。賛否はあっても僕は好きですよ。レゲエとボブ・マーリーを有名にしたのもあなたの功績です。レゲエとブルースがいい具合にミックスしていて、レイドバックが気持ち良い。あなたは60年代サイケ時代から飛びぬけてファッショナブルでしたね。80年代は肩パットガチガチ、ベルサーチに身を包み、90年代はアンプラグドからアルマーニをどんなモデルより素敵に着こなしていましたね。でも本当は英国ジェントルマンなんですよね。サヴィルロウでオーダーしていると聞いています。あなたが好きならブリティッシュファッションも認めなければ。でも僕の店では扱う予定はありません。ゴメンナサイ。
80年代、90年代と三度コンサートでお会いしましたね。70年初めのドラックでヘロヘロだった初来日の時のあなたにもお会いしたかったなぁ。息子さんの死という悲しみの中名曲「ティアーズインヘブン」も生まれました。
あなたの波乱万丈の人生と半世紀にわたるロックスピリット。まだまだ続いて欲しいし、生き様を見せて下さい。そして、僕に生きるエネルギーを与えて下さい。あなたの喜怒哀楽が僕の思春期からの人生とリアルタイムで同時進行している事を誇りに思います。
世の中にビッグサイズ専門店・コーナー(お洒落な商品はあるのか?)は、見かけますが、メンズに関してはスモールサイズ専門店・コーナーなないですよね。昔から小柄な男性にはお洒落上手が多いと言われます。芸能界でも堺正章さんは、いいジャケットを着こなし、コーディネートも格好良いです。巻き物使いが上手いです。イタリア人もヨーロッパの中では、身長は低い方でコンプレックスもあろうかと思います。そういう体型的な事もイタリア人がお洒落にストイックに拘る要因の一つではないでしょうか?
ジャケットの肩のラインからパンツの裾幅、丈までバランスを重要視します。大きい人、スタイルのいい人は何を着てもそれなりに決まります。身長がないと格好良く見せる為のテクニックが必要になると思います。
当店アルバーノは、ボリオリの宝庫であると共に42、スモールサイズの宝庫でもあります。大体スーツ・ジャケットは42サイズは仕入れています。普通42はたまにみかけて、44サイズからスタートの店が多いと思います。
只42サイズ仕入れている割には売れ行きは厳しいです。それで在庫も多い状況です。問い合わせも大きいサイズについてあっても、42サイズの問い合わせはほとんどない。42サイズの人は最初からあきらめているのかな?ブランドにもよりますが、イタリア製の42サイズが合う体型は?身長160cm~170cm位の普通体型の方。もしくは170cm~175cm位のヤセ型の方。若い方、20代の方等は42サイズの方が多いように思います。165cm以下の方は袖丈、着丈の直しが必要な場合もあるし、超ヤセ型の方は身幅、中胴を詰める必要もあります。再三申しておりますが、既製服(イタリアンファクトリーのクロージング)は直しても支障が無い様にデザインされています。たとえあったとしてもそれを補うだけの格好良さ、美しさがあると思います。僕も42サイズをさらに直して着ています。皆さん僕と一緒に自分サイズに直してイタリア服を格好良く着ましょう。42サイズの方、決して「売ってないに違いない」「サイズが合わない」と諦めないで下さい。アルバーノにご相談下さい。
42サイズの方が増えれば、イタリアンスモールサイズ専門店かコーナーを作るんだけどな。20人くらい集まればスモールサイズ愛好会でも発足しますか。おまかせ下さい。イタリア人には理解不能であろう、42というサイズを彼らに作らせますよ。