地上デジタルに移行しましたね。アナログな僕もテレビのデジタル化による高画質、高音質の素晴らしさは大歓迎です。時代は刻々と変わってきているようです。
今週からNHKBSは北欧三昧です。北欧と言えばヨーロッパでも遠い所でピンとこないですが、壮大な自然、森と妖精等神秘的なイメージと建築、インテリアの独自性。非常に興味深いところですね。録画してゆっくり観て新しい北欧の魅力を発見したいと思います。
実は子供の頃からムーミンのメルヘンな世界観が大好きなんです。ムーミン谷という幻想的なコミュニティの中に生きる妖精達。もし自分がその中に生きているとすれば、どんなキャラクターになるんだろう。想像力がかきたてられています。キャラクターの中でのお気に入りは何と言ってもスナフキンです。自由奔放に生き、気が向けば旅に出る孤独な自由人。憧れるなぁ。男のロマンを感じます。小さい頃から格好良い大人のイメージでした。自由奔放と言えばスナフキンタイプですが、やっぱり僕の場合仕事柄オシャマさんしかないでしょう。イタリアかぶれのオシャマさん。ちょっと嫌味っぽいイメージであまりいけてないけど、やっぱり僕と似てるかも?
北欧特集を観るときっと行ってみたくなるだろうな。と言う事で愛聴盤です。実は前から北欧ジャズも結構気になっています。いきつけのCD屋では必ず棚をチェックしています。前にもノルウェーのビョルンクラークエッグを紹介しましたが、クールでモノクロームなイメージ。独特のひんやりした空気感は好きです。
今回ご紹介するのはポップですが、北欧の歌姫Birgit Lystager、1970年のアルバムです。北欧ボッサ、ソフトロック誰でも聴いた事のある曲をオリジナルに忠実にカバーしています。有名な曲でも聴きなれないデンマーク語でキュートに歌われると新鮮に感じます。とてもポップでお洒落な感覚はGOOD TIME MUSICとしてお店でも軽快感を演出してくれます。
ムーミン谷夏真っ盛りスナフキンは旅立ちましたが、村はずれの小さな洋服屋では、ひねくれイタリアンオシャマさんと相棒のプリティー??ミーが秋の準備に向けて皆さんの来店を待っております。
大阪。しばらく行く機会がありませんでした。今まで大阪の代理店さんとの付き合いはあったのですが、断然東京の取引先が多かった為、展示会は東京で見させてもらってました。先週ボリオリの展示会を大阪で見た後、久し振りに大阪の街を散策しました。
富山へ帰省した頃バブル絶頂期。イタリアンブランドが続々と日本に上陸した頃です。店をリニューアルする為、新しいブランドを探しに大阪の街中をリサーチしていました。心斎橋からミナミ、ヨーロッパ村、アメリカ村歩き回ってましたね。大阪=ラテン=イタリアン、当時はカラフルなダブルのスーツに身を包み、濃いブルーやピンクのシャツにプリントのタイをつけたビジネスマンで街は溢れていました。その頃の大阪の代理店さんは強気なところが多かったです。電話でアプローチするもけんもほろろに断られ続けました。その中でも何とか数社と取引きを始め、リニューアルしたことを思い出します。
久し振りのミナミは昔と変わらず雑多な雰囲気でした。今でも大阪=バブリーイタリアンというイメージがあります。(大阪の皆さんごめんなさい。)今だとレオンスナップの様なチョイワルなイカしたオジ様が多いのだろうと想像していました。が、この暑さでジャケットを着るどころじゃないのか、そういう方をあまり見かけませんでした。それとも大阪のアダルトはデザイナーのラグジュアリー感覚の方が好みなのかな?クラシコ系はあまりウケが良くないのでしょうか?いや、クラシコオヤジもどこかに沢山潜んでいるはずです。道頓堀でお約束のお好み焼きを食べ、その後アメリカ村へ向かいました。今回一軒だけチェックしておいた店があります。STANDARD BOOK STOREという本屋です。僕は本が好きというより本屋が好きというタイプです。2フロア260坪で4万点の在庫があるそうです。京都にある名店恵文社一乗寺店を若者向けにした様な雰囲気。僕の好きな音楽・ファッション・建築・旅等テーマ毎に分けられていて、僕の欲しい本や雑誌のバックナンバーも沢山あり、非常に見応えがありました。ホントは堀江の方へも行きたかったのですが、日帰りで時間がなかった為行くことが出来ず残念。しかし、久し振りに大阪の街を歩き懐かしさを覚えました。
どうも大阪は地理感がいまひとつつかみきれません。特にキタは。でも、これから大阪へ行く機会も増えると思うし、隠れスポット例えばレコード屋、B級グルメの店等調べておかなきゃな。
今週水曜日ボリオリコレクションを見に大阪へ行ってきました。前にブログに書いた様にプレコレクションでジャケットはある程度おさえてあります。
定番となりつつあるKジャケット、COAT、DOVERのベーシック素材、新しい素材、カラーの提案。非常にバリエーションに富んだジャケットのコレクションは見応えがありセレクトする楽しさがあります。
そんな訳で今回はスーツのオーダーをと意気込んで展示会場に乗り込むも、まず目に飛び込んできたのは本コレクションで初登場のサファリKジャケット、久し振りのM65のガーメントダイ、コットンサテンを洗いこんだ魅力的なCOAT等。やはりジャケットに目が釘付けです。あれも良い。これも良い。誘惑の声に耳をおさえつつ、今日はスーツを選びに来たんだぞ。と言い聞かせて冷静に落ち着いて、担当者に「スーツの生地を見せて下さい。」と一言。
クラシックスーツコーナーは奥の一角に地味にただずんでおります。淋しそうにただずんでいても、長年スーツ屋として営業しているアルバーノの看板スーツです。「ボリオリクラシック」の正統派?ファンの方々の為に意識を集中して生地をセレクト。30代の方々に人気がある革新的アンコンドーヴァースーツの台頭もあり、モデル選びは非常に難しい。悩む。ただ今春のドーヴァー(SOHO)スーツはかなり細かった!あのサイジングは着る人を選ぶと感じた。先週秋冬ドーヴァースーツが入荷し、サイズチェックをした。少しゆとりがあり、これなら幅広い層の方々に着てもらえると確信した。ちょっと安心。
ドーヴァースーツの軽く流れるようなスタイリッシュさは、今までのスーツの概念をくつがえす、革新的でありボリオリにしか作れない傑作だと感動したが、今春の商品の細さはモード感が頭一つ飛び出していた。モードとクラシックの良い意味でのどっちつかずのボリオリのポジションが失われていくのではないか?と心配した。ドーヴァースーツはこの秋冬物のようなサイジングでジャケット共に真の定番と育って欲しい。基本的なクラシックモデルのFとHの格好良さは今更話すまでもありません。やはり格好良いです。結局スーツ屋としてバランス良く仕入れる事としました。
世の中男のファッションは、ジャケットが主導権を握り魅力的な選択肢が増えた。ジャケットの楽しさ、奥深さを満喫し同時にパンツも楽しむ。靴・バッグ・時計の多様性。昔からみれば日本のファッションは格段にレベルが上がっている。いい時代だ。大人の男のファッションが確立してきたように感じる。ようやく日本の大人、オヤジが本当の意味でお洒落に目覚めてきたのだ。ただ一つ気になっているのは、スーツだ。楽しんでいるだろうか?仕事服だとしか見てはいないだろうか?ジャケットにはないスーツのフォーマル性、着まわし力を楽しんで欲しいと思う。男の色気、フェロモン(女性をひきつける様な)を表現できる一番のアイテムだと信じている。
皆がこのアイテムを自分流に楽しく着まわせるようになれば、日本の男のファッションはさらに進歩、充実したものになると信じたい。
「Living Inside Your Love」-EarlKlugh
「FROM ALL SIDES」-VINCE GUARALDI AND BOLA SETE
7月に入りSALEスタート。クライマックスの土・日が終わり、ほっとしています。
毎度の事ですが、SALEはしんどい。お客様が来て当たり前。売れて当たり前。当然予算や数字が頭をよぎる。年2回のSALEだけは石にかじりついても売らねばならないんですよ。気力・体力との勝負。その前にお客様に来て頂かないと始まらない。いつもSALE前思うんですよ。「今年は誰も来てくれないんじゃないか?」って。不安と緊張。商品も入荷時のように揃っている訳ではない。そんな中在庫のあるサイズから掘り出し物をチェックしておく。来店されたお客様の過去の購入商品等を思い出しながら、ふさわしい逸品を探す。SALEでのもう一つのサービス。オススメした商品が「それ、去年買いました。」という事もある。(お恥ずかしい…。)
「SALEはお祭りとサービス」と気持ちを切り替えて楽しむ様に心がけています。
お蔭様でお祭りモードの土・日でした。プロパーでもSALEでもお客様あってのアルバーノです。ホント有難い事です。
SALEの慌しさから離れ、別の自分になれる隠れ家。男の秘密基地にてこのブログを書いています。0:00を回ったところです。ちょっと暑いけど大丈夫。心地良い疲労感。この脱力感がたまりません。頑張った自分へのご褒美はお約束のレコード。エアコンのような人工的な音ではなく、戸の隙間から心地良く入り込んでくる風のような自然な音がいい。見た目は悪いが、着てみると別物のように立体感を出すナポリメイドのジャケットのようなレコードの音。
まずは、ガットギターでお馴染みのEarl Klugh。「Living Inside Your Love」1曲目「CAPTAIN CARIBE」がテンポ良く流れだす。この振動、この振動。キレの良い弦の響き。指先の動きが見えるよう。A面の流れが特にいい。
続いてVince Guaraldi And Bola Seteの「From All Sides」これは極上に音が良い。何故極上なのか?実は、このレコードはオリジナルなんです。60年代製ファーストプレス。いわゆる最初のマスターテープから始めて盤に録音されたもの。コレクターたるもの、これに数万円かけるわけですよ。ジャズのブルーノート盤、ビートルズの英国盤。セカンドプレスじゃダメなんですよ。コレクターは。
僕も数千枚レコードを持っていますが全くこだわりはありません。内容も自慢できるものではございません。コレクターの方々はものすごいですよ。当然盤の状態は厳しくチェック。ジャケットの傷、汚れ等隅から隅まで見逃しません。まぁそれもレコードの醍醐味ですし気持ちはわかります。
そういえばこのレコード(僕の数少ないオリジナル盤)マイフェイバリットショップ、下北沢のフラッシュディスクランチで店主の椿さんに初めて紹介してもらった思い出のレコードです。フラッシュではこんな貴重なオリジナルを他店よりもかなり安く、さりげなく置いているんです。だからファンも多い。エアコンがなく扇風機だけだろうが、説教されようが、好きな者には階段を上がった先の空間は時空・国籍を越えて宝物と出会える桃源郷なんです。
最近行く時間がなくご無沙汰しております。椿さん、越後屋です。(当店の社名エビスヤが覚えてもらえず、いつもこう呼ばれております。)
椿さんには節電や省エネなんて全然関係ないんでしょうね。(こうなる前からすでにエコだった。)
僕の店も業種は違ってもフラッシュディスクランチのように常に店主が売り場に立ち目を光らせ、時代がどう変わろうが自分独自のやり方・売り方を貫き通す。その姿勢を見習いたいです。それでも沢山のお客様に愛してもらえるオリジナルショップの鏡のような、そう洋服屋の桃源郷を目指したいと思っております。
まだまだアルバーノにはSALEのお宝眠っていますよ。