「Living Inside Your Love」-EarlKlugh
「FROM ALL SIDES」-VINCE GUARALDI AND BOLA SETE
7月に入りSALEスタート。クライマックスの土・日が終わり、ほっとしています。
毎度の事ですが、SALEはしんどい。お客様が来て当たり前。売れて当たり前。当然予算や数字が頭をよぎる。年2回のSALEだけは石にかじりついても売らねばならないんですよ。気力・体力との勝負。その前にお客様に来て頂かないと始まらない。いつもSALE前思うんですよ。「今年は誰も来てくれないんじゃないか?」って。不安と緊張。商品も入荷時のように揃っている訳ではない。そんな中在庫のあるサイズから掘り出し物をチェックしておく。来店されたお客様の過去の購入商品等を思い出しながら、ふさわしい逸品を探す。SALEでのもう一つのサービス。オススメした商品が「それ、去年買いました。」という事もある。(お恥ずかしい…。)
「SALEはお祭りとサービス」と気持ちを切り替えて楽しむ様に心がけています。
お蔭様でお祭りモードの土・日でした。プロパーでもSALEでもお客様あってのアルバーノです。ホント有難い事です。
SALEの慌しさから離れ、別の自分になれる隠れ家。男の秘密基地にてこのブログを書いています。0:00を回ったところです。ちょっと暑いけど大丈夫。心地良い疲労感。この脱力感がたまりません。頑張った自分へのご褒美はお約束のレコード。エアコンのような人工的な音ではなく、戸の隙間から心地良く入り込んでくる風のような自然な音がいい。見た目は悪いが、着てみると別物のように立体感を出すナポリメイドのジャケットのようなレコードの音。
まずは、ガットギターでお馴染みのEarl Klugh。「Living Inside Your Love」1曲目「CAPTAIN CARIBE」がテンポ良く流れだす。この振動、この振動。キレの良い弦の響き。指先の動きが見えるよう。A面の流れが特にいい。
続いてVince Guaraldi And Bola Seteの「From All Sides」これは極上に音が良い。何故極上なのか?実は、このレコードはオリジナルなんです。60年代製ファーストプレス。いわゆる最初のマスターテープから始めて盤に録音されたもの。コレクターたるもの、これに数万円かけるわけですよ。ジャズのブルーノート盤、ビートルズの英国盤。セカンドプレスじゃダメなんですよ。コレクターは。
僕も数千枚レコードを持っていますが全くこだわりはありません。内容も自慢できるものではございません。コレクターの方々はものすごいですよ。当然盤の状態は厳しくチェック。ジャケットの傷、汚れ等隅から隅まで見逃しません。まぁそれもレコードの醍醐味ですし気持ちはわかります。
そういえばこのレコード(僕の数少ないオリジナル盤)マイフェイバリットショップ、下北沢のフラッシュディスクランチで店主の椿さんに初めて紹介してもらった思い出のレコードです。フラッシュではこんな貴重なオリジナルを他店よりもかなり安く、さりげなく置いているんです。だからファンも多い。エアコンがなく扇風機だけだろうが、説教されようが、好きな者には階段を上がった先の空間は時空・国籍を越えて宝物と出会える桃源郷なんです。
最近行く時間がなくご無沙汰しております。椿さん、越後屋です。(当店の社名エビスヤが覚えてもらえず、いつもこう呼ばれております。)
椿さんには節電や省エネなんて全然関係ないんでしょうね。(こうなる前からすでにエコだった。)
僕の店も業種は違ってもフラッシュディスクランチのように常に店主が売り場に立ち目を光らせ、時代がどう変わろうが自分独自のやり方・売り方を貫き通す。その姿勢を見習いたいです。それでも沢山のお客様に愛してもらえるオリジナルショップの鏡のような、そう洋服屋の桃源郷を目指したいと思っております。
まだまだアルバーノにはSALEのお宝眠っていますよ。