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2012年01月20日

オールドモデルと若き伊達男

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スーツ屋アルバーノの奥にあるクロージングコーナー。この時期(シーズン末)ちょっと少なくなったというものの、まだまだスーツありますねぇ。当然今シーズンのものだけではありません。相棒が見つからず、数年居座る古株もあります。
新定番ボリオリ・ドーヴァースーツ。NEW フェイスGAIOLAスーツ。パッドの無いアンコン楽々スーツが台頭してきました。
ボリオリのクラシックバリエーション、Fモデル・Nモデル・HモデルそしてEモデル。これは国宝級?世界洋服遺産にでも登録されないかなぁ。(アホなことを)長年お世話になってます、フォーマル対応のボリオリブラックスーツ。
Gi・Capri、カルーゾ、フガート、マージャーズ…。我がスーツコーナーもバリエーション豊かになりました。数年前まではボリオリショップでしたもんねぇ。
今の時代あらゆるものが多様化し、選択肢は増えております。クロージング、洋服に関しても確かにそうです。ただ僕達の扱うイタリアンクラシックの中では、大きな変化はありません。小さなブームが起これば周りのブランドも同調するという事の繰り返し。雑誌の世界は色々切り口を変えて、アプローチしてきます。何を選択するかは、皆様のセンスであり、僕達のセンスでもあります。ゲンズブールは、レノマのダブルジャケットを自身のトレードマークとして着続けました。あえて一つのブランドを追いかける事、こだわる事もお洒落の美学だと思います。いろんなブランドを試す事、比べる事も楽しいお洒落だと思います。
話は変わりますが、この前スーツコーナーにまぁ長く居座っていた古株についに相棒があらわれました。その古株は先程の国宝級Eモデルと肩を並べるボリオリSモデル。今秋に姿を消すことになったHモデルより、一足先になくなったボリオリ最高峰サルトリアモデルです。最後の一着でした。
「なんで俺の素晴らしさに気づいてくれないんだろう。よく見てくれよ。」とよくぼやいてました。
そのSを見初めた相棒は、当店の顧客では若い一人。スーツを着る仕事ではないそうですが、ジャケット・スーツをこよなく愛する方です。まさに、アルバーノが求める理想のお客様であります。彼も数年前にボリオリ・COATと出会い、イタリアンクロージングに魅了され、Fモデル・ドーヴァーそして、ガイオラ…を購入していただきました。僕は機関銃のごとく服の良さをアピールしますが、彼は自分の目で感性で、服の特徴・雰囲気を冷静に分析します。やはりジャケットの良し悪しに、言葉はいらないのかな。着て感じてもらってナンボ。イタリア服の彫刻的な立体美を感じて欲しい。
そして、彼の目がボリオリ・Sモデルに目がとまりました。早速試着。サイズもピッタリ。
「この型の雰囲気、ライン、結構好きだなぁ。」ツボに入ったようです。ジャケットファンにしかわからないワールド。ブランド、モデル名はどうでもいい。恰好良いと思えば良い。見えないものが見えました。パンツは彼のこだわり通り直しましたが、いい感じに着てくれています。写真を撮らせてもらいました。古株Sも若い良い相棒がみつかって、長年待ち続けたかいがあったでしょう。
彼のようにジャケット・スーツを主役として愛し楽しみ、自分のスタイルに出来る若い伊達男が増えていく事が、日本の洋服のセンス・レベルの向上に繋がっていくことでしょう。
そして、彼らが本物のダンディとして輝いてみえる為の手助けできるのであれば、僕にとって大きなモチベーションになります。

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