ミュージシャンが憧れるミュージシャンをミュージシャンズミュージシャンと言う。今では珍しくないが、ギター一本で表情豊かに歌う女性シンガー。その多くは彼女の影響を受けている、リスペクトしている。自分が体験してきたこと(捨て子のような生い立ち、仕打ちを受け家出を繰り返してきた幼少時代)を詩にして、トーキングブルース調に歌うシンガー。リッキーリージョーンズ。
また、会えるなんて思ってなかった。しかも、こんなに早く。
4年前彼女のライブを念願叶って観ることができた。彼女の歌は、僕にいろんな情景を妄想させてくれる。空想の世界の人だった。動いている姿、歌っている姿をナマで見られた幸せはまるで夢のようだった。あの日から4年経った2012年9月27日、東京青山のBLUE NOTE。再びリッキーが東京にやってきた。19:00開演。1時間前に会場に着いたが、すでに沢山の人達で活気に満ちていた。ライブが始まるまでのなんとも言えない期待感、緊張感、これがたまらない。
時間通りにライブはスタートした。今回は、リッキーの弾き語りにギターとチェロのトリオだ。夜に囁くビートジェネレーション。僕にとって世界一恰好良い女性。時には無垢に、時には可愛らしく、時には娼婦のようにアバズレて歌う。その表現力に引きこまれる。
4年前は最初の最後のつもりで観た。感無量だった。ただひとつだけ心残りがあった。それは、僕の生涯の名盤(愛聴盤シリーズ1)セカンドアルバム「PIRATES」から1曲も演ってくれなかったことだ。このアルバムはピアノの弾き語りの名曲が多い。今回のステージの奥にピアノが置いてあった。1曲でいいからピアノに座って演って欲しい。ステージも終盤あたりにきて、遂にリッキーがギターをおいてピアノに向かった!そして、聴き覚えのあるイントロをピアノで弾き始めた。僕の願いが通じたのか?!至福の時が訪れた。もう周りは何も見えなくなっていた。会場には熱唱するリッキーと僕の2人しかいない。長年妄想していた情景が、今目の前で現実に変わった。涙が止まらない。僕の魂はどこへ…。2曲「PIRATES」から演り、ラストナンバー「SATURDAY AFTERNOON1963」静寂の中リッキーの囁く様なヴォーカルとピアノの音が会場に響いて幕はおりた。拍手の渦の中会場からリッキーが去っていった。おそらくこの大勢の人の中、一番熱い想いで陶酔していたのは僕だったのは間違いないだろう。
大好きなシンガー。一番聴きたかった曲。同じ空間で同じ時を過ごす…。
神様が僕に与えてくれた奇跡のプレゼント。ありがとう、感謝します。
先週の東京出張。仕事が終わり向かったのは、中目黒のMy favorite shop。ヴィンテージ家具・雑貨屋。前にも一度この店のことを書いています。
いつもこの店に行くと、入る瞬間から胸の鼓動が高鳴ります。僕のチキンハートがイーグルハートにグレードアップ??店に入るなり、もう子供目線です。「あっ!これ恰好いぃ~。あっ!それ面白い。あっ!あっちにもこっちにも。」後は我を忘れ宝探しです。こんなオヤジの心をトキメかせてくれる店、めったにありませんよ。高いモノも一部ありますが、大体はかなり良心的プライスです。ジャンクなオブジェ、小物も沢山あります。ホントこれはオーナーの目利きの結集です。
僕にはオーナーのこだわり、気分がよく見えるんです。感性という部分で僕の店の品揃えにも勉強になります。
ジャンクなヴィンテージ家具・オブジェを見ていると、イマジネーションがかきたてられますね。隠れ家に。アルバーノに。将来の夢みる店に…。
もう後は誰も僕を止める事は出来ません。
また、運命の出会いしちゃいました。インスピレーションは大切です。店奥のカウンターに鎮座するガラスのライト。その曲線美に引き寄せられ、しばし固まります。
「イタリアのヴェネツィアンガラスです。ムラーノの70年代製かな。お好きでしょう。本当はかなり高いと思いますよ。」オーナーは僕の好みを大体把握しています。イタリアのヴィンテージ!世界に1つしかない!大好きなライト!僕のヴォルテージは最高潮です。
いつもなら即決するんですが、今回は冷静に一晩考えてみる事に。
その夜「何を迷ってる?1点モノのヴィンテージだぞ。売れたら後悔するぞ。」
お告げがありました。そして、購入。昨日届きました。
この店で買った家具・オブジェ、増えてきました。勿論店内にも置いてます。でも、買って後悔しているものは1つもありません。どんなに気に入っても身分不相応なものは買いません。どんなにジャンクなものでも愛を感じるかどうかです。僕が愛するジャンクコレクション。たいしたものはありませんが、また紹介していきます。
メンズファッション、私達が扱うファクトリーブランド。毎年毎シーズン傾向が変わる事はありません。ただ同じモデルであっても、ミリ単位・センチ単位で部分的にサイジングが変わる事は常識です。そのことによってシルエットや雰囲気が当然変わってきます。ジャケット・スーツは、その数ミリがイメージを左右する訳ですから奥が深いし、面白い。けど、怖いです。
担当者は「いつも通りです。何も変わりないと聞いてます。」と言います。それを信じていつものように沢山のオーダーを入れます。商品が入荷してきて、数ミリ・数センチの違いがあると知った時はビビりますよ。シンプルな男服だからこそ微妙なサイジングが大切なんです。
今日はアルバーノのストックから、相棒がまだ見つかっていないものをご紹介します。そして、お値打ちプライスでご提供しようという企画です。
前年のものもあれば、数年前のものもあります。「これは売りにくいだろう。当然残るわ。」というものもあれば、「なんでこんなのいいものが残ってんの?サイズかな?」というものもあります。モデルが同じでもいつのシーズンのものかでイメージが違うと思います。体型によっては、新しいものがしっくりくるとは限りません。もし興味がある方は是非ご連絡を。
第1回目は、ボリオリのCOATモデル。6つボタンダブルで素材はコットンジャージーのジャケットです。何度も書いていますが、ダブルのデザインってすごく複雑です。ラペル幅、Vゾーン、ボタンの間隔…。そして肩のパット、芯地等の形作り。
このボリオリCOATダブルは、アンコンタイプに狭いVゾーン、ボタンの間隔が広い6つボタン。僕個人的には、すごく恰好良くてボリオリらしいダブルだなと思っています。COATモデルとしては、そんなに洗いをかけたアタリは出ていません。色はブルー系ネイビーです。
着用写真はサイズ42の僕がサイズ44を着ています。