早いもので今年も残りわずか。いつも一人よがりなホームページ、ブログにお付き合いいただきありがとうございます。今年は皆様にとって良い年でしたでしょうか?ファッションを楽しむことはできましたか?このホームページを楽しんでもらい皆様のファッションのお役にたてたとすれば、こんな嬉しい事はありません。
来年も問い合わせに限らず、色々とご意見・ご感想等お気軽にメールいただければ幸いです。
来年はどんな年になるんでしょうか?政権も変わり世の中も良い方向にいくといいですね。
僕達が扱うクラシックなイタリアンファッションの世界もそろそろ変化してくるような気がします。と言っても僕にそんな予知能力なんてないですけど。(そんなものがあれば今頃は…。)まぁ、わからないから楽しいんです。
長い間ファッションを見てきて思うことなんですが、日本人はいいモノ、本物を見る眼が養われてきました。ただ、いいモノを身に着けるようになったのですが、雑誌・情報にがんじがらめになりある意味保守的で画一的なスタイルを求める方が増えてきている気がします。本物のファッションンにマニュアルはないですし、もっと自由であり華やかであり個の主張じゃないかと思うんです。確かに売れるもの、恰好いいもの、長く着られるものにはそれなりの理由があります。でも、決まったものに皆走ってしまうとスタイルも似てきます。着る側も売る側も「これが安心・鉄板だ」というものに走って、結果同じものになり個がなくなっていきます。
僕達のセレクトも変わらない部分と変えていかねばならない部分のバランスが大切になってくるんじゃないかな。
これを読んでいらっしゃる方は勿論、少数派のお洒落を楽しんでいる方だと思います。
「いいものを買いそろえた」ただ、そこがゴールではないと思います。そこからスタートであり、ショーの幕が上がります。
これから地に足をつけ、ワンランクアップしてそれぞれが個性を主張していく時代になって欲しいですね。新しい流行モノを探してあくせくするのもどうなんだろう。正直仕入れる僕達も疲れます。
アルバーノの来年秋冬の仕入れもスタートしました。新しいブランド、デザイン、色にチャレンジしていく。大変難しいことかもしれません。結局僕自身が楽しめるかどうかです。自分の感性・こだわりに正直にブレずに洋服と向き合っていきたいですね。
新しいチャレンジに際して、僕自身考え方を変えていかねばなりません。その決意であります。
来年は、その新しい変化の一歩を踏み出していくつもりでいます。ホームページを通して、その試みが少しでも理解していただければと思います。
年末の挨拶のつもりが長くなってしまいました。
今年もご愛顧いただき誠にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
察しの良い方は、この写真を見てピン!ときたことでしょう。
♪は~るばるきたぜ、とやま~♪
そうです、そうなんです。アルバーノ年末の風物詩?です。
我らが北海道支店長のご来店です。
今年はお盆にも来てくれているので、「久し振り~!」って感じではないのですが、それでもやっぱり顔をみたら「お帰り!元気だった?」
あとはもういつもの通り大試着大会の撮影大会です。
そのうちの少しご紹介。まずは、コレ。
ガイオラのago a filo。彼の洋服魂に火をつけた逸品です。
続いては、シーラップのウールトレンチコート。こちらは入荷した時から支店長気になっていたものです。試着してみたら、さらに洋服魂が燃えてました。
最後に、シーラップのフィールドコート。良いですね。シーラップらしいエレガントさが漂います。
ちょうどガイオラの代理店のアルヴェスティジャパンさんもご来店。皆でガイオラについての意見交換会もありました。
そんなかんだでいつものごとく密度の濃い時間を過ごさせていただきました。
寒い風吹く師走にほんわかあったまりました。
今年もいろんな方々との繋がりに笑みがこぼれました。皆々様どうもありがとうございました。
アルバ子感謝です。至らぬところが多い私ですが、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
水曜の休日、病院で脳のMRIの検査を受けました。なんと20年振りです。20年前に検査を受けた時のカルテが残ってるではありませんか!(さすがに画像はなかったけど。)先生もその時と同じ先生でした。(びっくり!)
12月になると思い出します。
人間生きていると世界観が変わるという経験が何度かあるもんです。何か自分の中に精神的なショックが起こり、世の中の見方が変わるということ。
僕の中でもありました。富山にUターンした頃ちょっとした頭痛で、用心の為撮られた脳のCT。その時医師から「頭痛とは関係ないですが、1点気になるところがあります。即入院して詳しい検査が必要です。すぐ家族の方に来てもらって下さい。」と告げられました。
突然の展開に、ショックでしどろもどろのパニック状態。10日間の検査入院。何の症状もなかったので、余計に悪い事ばかり考える。そして、MRI検査。やはり、医師は異常を指摘した。目の前は真っ暗。入院中一日だけ外泊を許されて帰宅した。もう言葉がない。世の中の色がダークグレーに見えました。12月クリスマスでにぎやかな街。街を行きかう人々が皆幸せに見え、自分だけが世の中の不幸を全部背負っているように感じた。オーバーじゃないけど、「生」とか「幸福」という事を色々考えましたね。
そして、長く感じた検査の10日間が終わり家族が呼ばれました。結果は、原因不明の出来事。定期的に経過観察していくことに。
まぁ一安心しました。ホント退院して外に出ると、世の中の色がライトグレーになっていました。全ての景色が変わって見えました。生死をさまよった訳ではないのですが、なんか生きていることをかみしめていました。一日一日が大切に感じられました。
その入院するまでヘビースモーカーで、タバコをやめようと思ったことなど一度もなかったのですが、その日以来今日まで1本もタバコを吸っていません。そして、退院一年後に再検査。緊張のるつぼ。
結果は以前と変わりなし。医師の「先天的なものかもしれません。」という言葉がどんなに嬉しかったことか。
検査後病院を出た時の世の中の色が、明るいアイボリーのようでした。丁度その頃自分の店をSTARTさせました。
20年経って検査に行き同じ病院の同じ医師に再会した訳ですが、当然当時の事は彼の記憶の片隅にもありません。僕には「この医師が僕の生き方に大きく影響を与え、タバコもやめさせてくれたんだなぁ。」という感謝と共に、なんだろう…不思議な想いがこみあげてきました。
今、皆さんの目には世の中の色は、何色に見えてますか?
「シンプル」。ありきたりの言葉だ。「ミニマル」。あまり使わないが、「シンプル」と意味はよく似ている。辞書では、「シンプル」は単純・簡素。「ミニマル」は最小限。と書いてある。
この2つの言葉の奥には深い意味がある。ミニマリズム(ミニマル主義)。美術・建築・音楽の世界でよく使われるが、ファッションにも当然存在する。服・靴・鞄…。「ミニマル」にはモードの思想があり、「シンプル」には思想自体がない。わかりやすく言うと、余計なものを足さなかったのが「シンプル」で、必要最小限のものを残し、後をそぎ落としていった結果が「ミニマル」になるのかな。無印やユニクロは出発点は「シンプル」であるが、「ミニマル」ではない。しかし、ホント意味での「シンプル」には到達していない。
「シンプル」とは最も難しい美意識であり、「ミニマル」を突き詰めた形である。わかりやすくと言いつつもなんかややこしくなってきたなぁ。
最近シーラップのシンプルなコートを紹介していて思うのだが、ここのコートにミニマルな美を感じてならない。シーラップのステンカラー、トレンチ、ピーコート等の一見シンプルなデザインだが、決して簡素なものではない。最終的にミニマルに帰省した思想がその中に詰まっているように思う。時代の美を独創性で切り取るデザイナーのフレキシブルな要求を忠実に形に作り上げてきた。職人集団としての伝統的技術。彼らは裏方であり、黒幕である。
ジル・サンダーは、究極のミニマリズムを完成させるのにシーラップを選んだ。何故ヨーロッパの名だたるデザイナーは、シーラップを指名するのか?
イタリア・英国にコートファクトリーは沢山ある。シーラップの仕事は、あくまで自社ブランドを売る事ではなく、デザイナーのクリエイティヴな発想を形にする為に研究・挑戦し続けているのである。イタリアンモダンの斬新なデザインから古典的な様式美まであらゆるスタイルを、熟練した技術とハイテク技術を融合し同じスタンスで作り上げる。
シーラップのコートコレクションの一つ一つにはデザイナーの陰が見え隠れする。それで、当然ミニマルな美を追求したシンプルなコートが完成する訳である。
そして、他のコートファクトリーでは考えられないことであるが、古いモデル・アーカイヴのものであっても僕達小さなショップの為に少量であっても生産してくれる。どんなクライアントであっても、分け隔てなく生産してくれる。
「いろいろなコートを作る事」。これがコート職人集団としてのプライドではないだろうか。
僕達がオーダーしているモデルは、シーラップが蓄積してきた技術が結集してできた究極のシンプルものであると確信している。
東京から帰り週末は忙しかった。残業嫌い、仕事しない、この僕が珍しく一生懸命仕事に没頭していた。ガイオラのペトリロ氏と会って、パワーと勇気をもらって久し振りにヤル気になっている。本気になっている。オッチャンが本気になると…怖いよ。何かが起こる。何が起こるんだよ!とにかく忙しいのがちょっと一段落。今週は休ませてもらいます。12月は第3週の水曜まで休ませていただく予定です。人間休む時はしっかり休まないとね。いい仕事出来ないよね。と、言いながら予定もなく、ボーっとファッション誌でも読みながら仕事の事考えてるんだろうなぁ。
師走に入った月曜日の深夜。今1:30A.M。月曜の深夜が好き。花金じゃなく花月。僕の心はもう水曜日。休みモードに入りました。という事は、火曜も休みモードか?頭は休み、体は仕事。いい加減に、もとい気楽にやってますよ。
なんかすごくいい気分で隠れ家でリラックスしております。最近ゲットしたノルウェーの極上リクライニングチェア、EKONESの70’sヴィンテージ(2台目)に身をゆだねて、好きなレコードに囲まれる幸せ。しかし、本当ライト、家具買い過ぎやな。
今日はJAZZの気分。1枚目は、夜の静寂の中響くトランペット。ケニードーハムの「静かなるケニー」。いいタイトルだ。外は木枯らし吹く師走の深夜。隠れ家は、ほのぼのとした温かいストーブの様なバラードのぬくもり。コテコテなモダンジャズは得意じゃない僕だけど、このアルバムは愛聴盤。ジャズ初心者でも聴きやすくおススメです。
そうそう今店舗のプチリニューアル考えてるんです。ウインドーと店内の一部。ウインドーは決まっていて、長年付き合いのある内装屋さんYさんに伝えてはあるんだけど、なかなか来てくれない。忙しいらしいけど、嫌われてんのかな。いつも僕が難しい注文するからな。ウインドーはライティングに凝るつもり。好きなポスターコレクションを入れ替えたり、かなり恰好良くしたいな。何屋さん?洋服屋ってわかんなかったりして。完成したら、「今日のウインドー」としてブログでご紹介する予定です。
さぁ次は、アーネスティンアンダーソンの「WHEN THE SUN GOES DOWN」。大好物のブラック女性ジャズヴォーカル。80年代のアルバムだけど、古いニューヨークの雰囲気。渋いなぁ。ブルージーなヴォーカル。しびれる。まさに、今考えてる店内のレストスペースに似合いそうなサウンド。今の店は改装して22年程経っている。その間何度かリニューアルしてるせいか、死んだ場所(商品が見にくい、目立たないという意味)があって、どうせならそこをお客様に休んでもらうレストスペースにしようかと構想中です。あまりお金はかけられないけど、ここも僕の趣味全開になりそう。壁には古いレンガを使い、50年代ニューヨークのアパートの一室風。今こそ僕が買い過ぎた愛しきジャンクコレクションをお披露目する時です。前にも書きましたが、僕は今時な広い空間、リビングが苦手なんです。欲張りなのか色んな空間が欲しい。その1つを店内に作りたい。
あっもちろんメインは洋服です。理想はキレイな店内ではなく、洋服蔵、洋服倉庫。来春完成予定です。レンガの質にはこだわるだろうけど、2Fの時の様な難しい事言わないから、内装屋Yさん早く来てよね!待ってるよぉ~。