今春も沢山のジャケットブランドが花盛りである。新宿の百貨店に行くと、各々のブランドがしのぎを削って縄張り争いをしている。壮観だな。
お客様はこの中からどのようにどんな基準で一着を選ぶんだろう。素材やデザインを目的に探す人人、ご贔屓ブランドの所でじっくり品定めする人。
その一角に僕の思い入れある顔があった。
「どうだい、みんなの評価は?周りの人気ブランドに胸を借りるつもりで思いっきり行け。」とはっぱをかけた。
デ・ペトリロ。このブランドは、今どんな位置づけにあるんだろう。当店では犬も歩けば、ペトリロにあたるだ。周りからの評価を気にする必要なんてあるのか?
でも、なんか気になる。陰から遠目にジャケット売り場の様子をずっと見ていたい衝動にかられる。
今人気Tは南のブランドだが、ライバルにナポリのブランドはない。ナポリの服は高い。安い物もあるらしいが、日本で紹介されるものは皆高級。
しかし、このブランドはやさしい。ペトリロ、旧ガイオラの時から付き合って6年位経つかな。
なんだろう。相性だよね。北の人気ブランドも少し取り扱った。でも、長続きしなかった。
ナポリというキーワードがささったのか?多分それはあると思う。でも、それだけじゃない。
毎シーズン同じことを繰り返すのが、僕らの商い。そこにマンネリを感じたくない。
心躍る様な仕入れ、オーダー。出来上がった商品を心の底からお客様に勧められるだろうか?
僕の視線は、完全お客様と同じ。僕の心を高ぶらせてくれよ。
沢山のブランドがショップ、ネットでしのぎを削る。もういいだろう。
「ペトリロ、そこに参入する必要はないよ。わかってくれる人にだけ認めてもらおうや。」
そのスタンスでいいんだよ。今春もアルバーノに数百着、ペトリロが並ぶ予定。ボリオリもあるけど、ペトリロオンリーショップ。
バカだよな。バカの一つ覚えだよ。でも、僕の心は満たされてるんだ。
ナポリモデルは、アルバーノ流に少しアレンジ。ここだけの話だよ。
そして、NEWモデル。マリーナちゃん。待ってましたよ。これが、ナポリからの答えか。ナポリからの挨拶状。
ベニー(ペトリロ氏の愛称)の試行錯誤が生み出した傑作だぜ。こんなにSEXYなマリーナちゃん。心が動かなけりゃ男がすたる。
ナポリは確かにいい服の宝庫だ。だけど、なかなか手が届かないよね。しかし、ベニーは秘かに地道にわかりやすく革命を起こしてくれている。ナポリの伝道師だよ。手が届くナポリのペトリロは、もっともっと一般の人に評価される服なんだ。一度羽織ってみてね。多くの人の心をわしづかみにするだろう。きっと、きっと。
ペトリロ。それは、発展途上のブランドかもしれない。だからこそこんな素晴らしい作品をさりげなく、リーズナブルに紹介してくれるし、僕も心の高ぶりをおさえることが出来ないんだろう。罪なヤツだよ。