今週水曜日ボリオリコレクションを見に大阪へ行ってきました。前にブログに書いた様にプレコレクションでジャケットはある程度おさえてあります。
定番となりつつあるKジャケット、COAT、DOVERのベーシック素材、新しい素材、カラーの提案。非常にバリエーションに富んだジャケットのコレクションは見応えがありセレクトする楽しさがあります。
そんな訳で今回はスーツのオーダーをと意気込んで展示会場に乗り込むも、まず目に飛び込んできたのは本コレクションで初登場のサファリKジャケット、久し振りのM65のガーメントダイ、コットンサテンを洗いこんだ魅力的なCOAT等。やはりジャケットに目が釘付けです。あれも良い。これも良い。誘惑の声に耳をおさえつつ、今日はスーツを選びに来たんだぞ。と言い聞かせて冷静に落ち着いて、担当者に「スーツの生地を見せて下さい。」と一言。
クラシックスーツコーナーは奥の一角に地味にただずんでおります。淋しそうにただずんでいても、長年スーツ屋として営業しているアルバーノの看板スーツです。「ボリオリクラシック」の正統派?ファンの方々の為に意識を集中して生地をセレクト。30代の方々に人気がある革新的アンコンドーヴァースーツの台頭もあり、モデル選びは非常に難しい。悩む。ただ今春のドーヴァー(SOHO)スーツはかなり細かった!あのサイジングは着る人を選ぶと感じた。先週秋冬ドーヴァースーツが入荷し、サイズチェックをした。少しゆとりがあり、これなら幅広い層の方々に着てもらえると確信した。ちょっと安心。
ドーヴァースーツの軽く流れるようなスタイリッシュさは、今までのスーツの概念をくつがえす、革新的でありボリオリにしか作れない傑作だと感動したが、今春の商品の細さはモード感が頭一つ飛び出していた。モードとクラシックの良い意味でのどっちつかずのボリオリのポジションが失われていくのではないか?と心配した。ドーヴァースーツはこの秋冬物のようなサイジングでジャケット共に真の定番と育って欲しい。基本的なクラシックモデルのFとHの格好良さは今更話すまでもありません。やはり格好良いです。結局スーツ屋としてバランス良く仕入れる事としました。
世の中男のファッションは、ジャケットが主導権を握り魅力的な選択肢が増えた。ジャケットの楽しさ、奥深さを満喫し同時にパンツも楽しむ。靴・バッグ・時計の多様性。昔からみれば日本のファッションは格段にレベルが上がっている。いい時代だ。大人の男のファッションが確立してきたように感じる。ようやく日本の大人、オヤジが本当の意味でお洒落に目覚めてきたのだ。ただ一つ気になっているのは、スーツだ。楽しんでいるだろうか?仕事服だとしか見てはいないだろうか?ジャケットにはないスーツのフォーマル性、着まわし力を楽しんで欲しいと思う。男の色気、フェロモン(女性をひきつける様な)を表現できる一番のアイテムだと信じている。
皆がこのアイテムを自分流に楽しく着まわせるようになれば、日本の男のファッションはさらに進歩、充実したものになると信じたい。
「Living Inside Your Love」-EarlKlugh
「FROM ALL SIDES」-VINCE GUARALDI AND BOLA SETE
7月に入りSALEスタート。クライマックスの土・日が終わり、ほっとしています。
毎度の事ですが、SALEはしんどい。お客様が来て当たり前。売れて当たり前。当然予算や数字が頭をよぎる。年2回のSALEだけは石にかじりついても売らねばならないんですよ。気力・体力との勝負。その前にお客様に来て頂かないと始まらない。いつもSALE前思うんですよ。「今年は誰も来てくれないんじゃないか?」って。不安と緊張。商品も入荷時のように揃っている訳ではない。そんな中在庫のあるサイズから掘り出し物をチェックしておく。来店されたお客様の過去の購入商品等を思い出しながら、ふさわしい逸品を探す。SALEでのもう一つのサービス。オススメした商品が「それ、去年買いました。」という事もある。(お恥ずかしい…。)
「SALEはお祭りとサービス」と気持ちを切り替えて楽しむ様に心がけています。
お蔭様でお祭りモードの土・日でした。プロパーでもSALEでもお客様あってのアルバーノです。ホント有難い事です。
SALEの慌しさから離れ、別の自分になれる隠れ家。男の秘密基地にてこのブログを書いています。0:00を回ったところです。ちょっと暑いけど大丈夫。心地良い疲労感。この脱力感がたまりません。頑張った自分へのご褒美はお約束のレコード。エアコンのような人工的な音ではなく、戸の隙間から心地良く入り込んでくる風のような自然な音がいい。見た目は悪いが、着てみると別物のように立体感を出すナポリメイドのジャケットのようなレコードの音。
まずは、ガットギターでお馴染みのEarl Klugh。「Living Inside Your Love」1曲目「CAPTAIN CARIBE」がテンポ良く流れだす。この振動、この振動。キレの良い弦の響き。指先の動きが見えるよう。A面の流れが特にいい。
続いてVince Guaraldi And Bola Seteの「From All Sides」これは極上に音が良い。何故極上なのか?実は、このレコードはオリジナルなんです。60年代製ファーストプレス。いわゆる最初のマスターテープから始めて盤に録音されたもの。コレクターたるもの、これに数万円かけるわけですよ。ジャズのブルーノート盤、ビートルズの英国盤。セカンドプレスじゃダメなんですよ。コレクターは。
僕も数千枚レコードを持っていますが全くこだわりはありません。内容も自慢できるものではございません。コレクターの方々はものすごいですよ。当然盤の状態は厳しくチェック。ジャケットの傷、汚れ等隅から隅まで見逃しません。まぁそれもレコードの醍醐味ですし気持ちはわかります。
そういえばこのレコード(僕の数少ないオリジナル盤)マイフェイバリットショップ、下北沢のフラッシュディスクランチで店主の椿さんに初めて紹介してもらった思い出のレコードです。フラッシュではこんな貴重なオリジナルを他店よりもかなり安く、さりげなく置いているんです。だからファンも多い。エアコンがなく扇風機だけだろうが、説教されようが、好きな者には階段を上がった先の空間は時空・国籍を越えて宝物と出会える桃源郷なんです。
最近行く時間がなくご無沙汰しております。椿さん、越後屋です。(当店の社名エビスヤが覚えてもらえず、いつもこう呼ばれております。)
椿さんには節電や省エネなんて全然関係ないんでしょうね。(こうなる前からすでにエコだった。)
僕の店も業種は違ってもフラッシュディスクランチのように常に店主が売り場に立ち目を光らせ、時代がどう変わろうが自分独自のやり方・売り方を貫き通す。その姿勢を見習いたいです。それでも沢山のお客様に愛してもらえるオリジナルショップの鏡のような、そう洋服屋の桃源郷を目指したいと思っております。
まだまだアルバーノにはSALEのお宝眠っていますよ。
「OASIS」OASIS
昨日は恒例の月イチの飲み会でした。19:30店を閉め、張り切って行くぞ!という時に何か頭が重い…変な感じ。今月の飲み会開催の店に着く。宮崎地鶏を美味しく食べながら、ビール3杯程飲んだところで、やっぱり違和感。酔い方がいつもと違う。その後はお楽しみの歓楽街へ足を運ぶつもりだったのにそれどころじゃない。だるい。速攻で帰宅。倒れこむように布団へ。今朝まだ体がだるい。熱を計ると38度。そりゃフラフラするわ。ここまで熱があるとは思ってもみなかった。最近気温差が激しかったりして、薄着で寝ていたから、それがいけなかったのかな?近々行うSALEに備えて早く体調を整えないと…。
今日はゆっくりと店で来春夏の戦略でも練っていようか?GOOD TIME MUSICでも聴きながら。心と体の疲れを癒してくれる、ゆったりとした落ち着けるものがいいな。そうだ、オアシスだ。ROCKのオアシスとは違うよ。
オアシス-砂漠の中で水が湧き樹木が茂っている沃地であり、キャラバンの一行が一息ついて、慰安・休息する場所。
まさにそういった情景が目の前に浮かぶようなサウンド。
実はこのオアシスの5人は、60年~70年代に活躍してきたベテランミュージックの集まりなのだ。中でも2人のヴォーカリスト、ピータースケラーンとメリーポプキンは有名である。息の合った2人のベテランヴォーカルと荘厳なチェロ、心地良いギターのハーモニー。メロディアスな曲が続く。
やっぱり心、体の疲れを優しく癒してくれるのは音楽だね。84年だから30年程前に作られたオアシスの最初で最後の1枚。作られた年代なんて関係ない。それはヒーリングでもアンビエント、環境音楽でもない。優しさ清々しさに満ち溢れた天使のささやきだ。ジャケットの青い海のようにメアリーホプキンの青い歌声が心を染める。
何の世界にも大ヒットしたり、最大級の評価を得る事は最高の喜びでしょう。成功と共に名声も得ることになります。輝かしい栄光を手にするとそれを継続させる事と同時に新たな目標を持つという課題も生じるでしょう。
ただし、もしその評価が本人が望んでいることと違う部分で得たものだとしたら、どうでしょう?手放しで喜べない複雑な心境になると思います。成功にもいろんな側面があると思います。
ファッション界でもブランドが大ヒットする事により、大衆化していき本来の価値観が薄れたり、違った方向に進んでいくブランドもあります。
音楽界でもそんなグループがあります。ちょっと古いですけどGAROです。「学生街の喫茶店」の大ヒットで皆さんもご存知でしょう。
実は、彼らこそこの大ヒットで彼ら本来の実力とは違ったイメージが作られた不幸なグループなんです。彼らのファン、本人達にとっては悪名高い名曲なのです。彼らは70年にデビュー。当時日本のロックシーンにおいて、独特のアコースティックサウンドを洗練されたハーモニーで新しい旋風を巻き起こそうとしていました。僕も1st、3rdは超名盤という事で探していますが手に入らない。CD化されているのか?その位アルバムはレアなんです。とにかく彼らの音楽はアルバムで聴かないと評価できないのです。僕の持っているBESTアルバムの出だし4曲程聴けば、その美しいハーモニーと素晴らしいポップ感が伝わってきます。
それが「学生街の喫茶店」(シングルB面)が大ヒットし、彼らはカリスマ的アーティストから一発ヒットの歌謡曲フォーク路線グループとして位置づけられてしまいました。レコード会社も次のシングルヒットを狙い、プロのライターに曲を書かせGAROに歌わせました。この大ヒットがなければ今頃GAROというグループの実力、存在はジャパニーズポップスの原点として、後世に語り継がれていたでしょう。
何の世界でもそうですが、大ヒットする事は大きな富や名声は得られますが、周りが持つその人なり物への価値観を大きく変えてしまうという恐ろしさと背中合わせの様な気がします。
成功したり、頂点を極める事とは恐らく無縁なB級人間の僕なので、2番・3番手になれたらいいかも、理想だな。
新撰組でいうなら近藤勇より土方歳三か沖田総司かな?
「JOY」GIOVANNI ALLEVI
いやぁ、昨晩はいい夢見たなぁ。内容は内緒だけど…。久し振りだよ、楽しい夢なんて。めったに見ない。又続きを見たい!余韻に浸っていたい!いつもはほとんど悪い夢、つらい夢。僕だけかなぁ。日頃の生活態度、健康状態が悪いのかと思ってしまう。訳のわからない夢。意外な人物が登場する夢。僕の場合同じ内容の夢を何度も見る。例えば、僕が大学生で学校へ行かなくて出席日数が足りず、単位が取れそうもなくて留年目前であわてふためいている夢。なぜかこの夢は定期的に見る。
後やっぱり自分のコンプレックスに関する夢かな。潜在意識の部分だから自然と出てくるんだろう。どうしようもないよね、夢は。
最近ぐっすり眠れなくなってきた。年をとったからかもしれないけど、しばらく同じ睡眠内容が続いている。眠りについてちょうど3時間程すると目が覚める。その後うつらうつらして夢を見るんだ。そういえば接客している夢も多いなぁ。クレーム処理やら、もう来なくてもいい。とケンカしている夢とかあまりいい夢じゃない。商売の事で頭が一杯なのか?でも、目が覚めて布団の中でふといい商売のヒントやイメージが浮かぶ時もたまにある。その後しばらく考えていて眠れなくなるけど、その時は「素晴らしい発想だ!俺って天才。」と自画自賛する。次の日冷静に考えたり、周りに話すと「何考えてんの?」と一瞬で終ってしまう事が多い。
まぁとにかく人生の3分の1は布団の中だから、睡眠に関してはもっと拘らないと。1日音楽漬けの僕も就寝の時は音のない生活をしていたのだが、半年程前安いオーディオを買って、それ以来音の中で眠りにつく様になった。リラクゼーション、静かな睡眠用音楽、環境音楽、クラシック等がいいんだろうけど、僕はそんなに拘らない。
僕の就寝時の愛聴盤?ん~大好きなCDはメロディが耳に入りすぎて聞き入ってしまい逆に眠れなくなりそう。やっぱり難しい本を読むとすぐ眠れるのと一緒で、難しい音を聴けばすぐ眠れるのかな?まぁそういう難しいんを皆さんにおススメしても良くないので、今イタリアで知らない者はいない、天才ピアニスト、ジョヴァンニ・アレヴィの「JOY」です。「21世紀のモーツァルト」と呼ばれているそうです。コンテンポラリークラシックと言っても誰でもわかりやすく覚えやすいメロディ。イタリアの自由な創造性を繊細にかつ大胆に表現しています。寝る前だけじゃなくどんな場面でも一枚の絵画を見るように静かで優しい気持ちになれます。
とにかくいい夢が見られればいいんです。
それにしても昨日の夢は良かった。良かった。よか、よか。