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2012年12月29日

やってきたのよ!彼が!

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察しの良い方は、この写真を見てピン!ときたことでしょう。
♪は~るばるきたぜ、とやま~♪
そうです、そうなんです。アルバーノ年末の風物詩?です。
我らが北海道支店長のご来店です。
今年はお盆にも来てくれているので、「久し振り~!」って感じではないのですが、それでもやっぱり顔をみたら「お帰り!元気だった?」
あとはもういつもの通り大試着大会の撮影大会です。
そのうちの少しご紹介。まずは、コレ。
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ガイオラのago a filo。彼の洋服魂に火をつけた逸品です。
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続いては、シーラップのウールトレンチコート。こちらは入荷した時から支店長気になっていたものです。試着してみたら、さらに洋服魂が燃えてました。
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最後に、シーラップのフィールドコート。良いですね。シーラップらしいエレガントさが漂います。
ちょうどガイオラの代理店のアルヴェスティジャパンさんもご来店。皆でガイオラについての意見交換会もありました。
そんなかんだでいつものごとく密度の濃い時間を過ごさせていただきました。
寒い風吹く師走にほんわかあったまりました。
今年もいろんな方々との繋がりに笑みがこぼれました。皆々様どうもありがとうございました。
アルバ子感謝です。至らぬところが多い私ですが、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2012年12月21日

世の中の色

水曜の休日、病院で脳のMRIの検査を受けました。なんと20年振りです。20年前に検査を受けた時のカルテが残ってるではありませんか!(さすがに画像はなかったけど。)先生もその時と同じ先生でした。(びっくり!)
12月になると思い出します。
人間生きていると世界観が変わるという経験が何度かあるもんです。何か自分の中に精神的なショックが起こり、世の中の見方が変わるということ。
僕の中でもありました。富山にUターンした頃ちょっとした頭痛で、用心の為撮られた脳のCT。その時医師から「頭痛とは関係ないですが、1点気になるところがあります。即入院して詳しい検査が必要です。すぐ家族の方に来てもらって下さい。」と告げられました。
突然の展開に、ショックでしどろもどろのパニック状態。10日間の検査入院。何の症状もなかったので、余計に悪い事ばかり考える。そして、MRI検査。やはり、医師は異常を指摘した。目の前は真っ暗。入院中一日だけ外泊を許されて帰宅した。もう言葉がない。世の中の色がダークグレーに見えました。12月クリスマスでにぎやかな街。街を行きかう人々が皆幸せに見え、自分だけが世の中の不幸を全部背負っているように感じた。オーバーじゃないけど、「生」とか「幸福」という事を色々考えましたね。
そして、長く感じた検査の10日間が終わり家族が呼ばれました。結果は、原因不明の出来事。定期的に経過観察していくことに。
まぁ一安心しました。ホント退院して外に出ると、世の中の色がライトグレーになっていました。全ての景色が変わって見えました。生死をさまよった訳ではないのですが、なんか生きていることをかみしめていました。一日一日が大切に感じられました。
その入院するまでヘビースモーカーで、タバコをやめようと思ったことなど一度もなかったのですが、その日以来今日まで1本もタバコを吸っていません。そして、退院一年後に再検査。緊張のるつぼ。
結果は以前と変わりなし。医師の「先天的なものかもしれません。」という言葉がどんなに嬉しかったことか。
検査後病院を出た時の世の中の色が、明るいアイボリーのようでした。丁度その頃自分の店をSTARTさせました。
20年経って検査に行き同じ病院の同じ医師に再会した訳ですが、当然当時の事は彼の記憶の片隅にもありません。僕には「この医師が僕の生き方に大きく影響を与え、タバコもやめさせてくれたんだなぁ。」という感謝と共に、なんだろう…不思議な想いがこみあげてきました。
今、皆さんの目には世の中の色は、何色に見えてますか?

2012年12月11日

シンプルとミニマル

「シンプル」。ありきたりの言葉だ。「ミニマル」。あまり使わないが、「シンプル」と意味はよく似ている。辞書では、「シンプル」は単純・簡素。「ミニマル」は最小限。と書いてある。
この2つの言葉の奥には深い意味がある。ミニマリズム(ミニマル主義)。美術・建築・音楽の世界でよく使われるが、ファッションにも当然存在する。服・靴・鞄…。「ミニマル」にはモードの思想があり、「シンプル」には思想自体がない。わかりやすく言うと、余計なものを足さなかったのが「シンプル」で、必要最小限のものを残し、後をそぎ落としていった結果が「ミニマル」になるのかな。無印やユニクロは出発点は「シンプル」であるが、「ミニマル」ではない。しかし、ホント意味での「シンプル」には到達していない。
「シンプル」とは最も難しい美意識であり、「ミニマル」を突き詰めた形である。わかりやすくと言いつつもなんかややこしくなってきたなぁ。
最近シーラップのシンプルなコートを紹介していて思うのだが、ここのコートにミニマルな美を感じてならない。シーラップのステンカラー、トレンチ、ピーコート等の一見シンプルなデザインだが、決して簡素なものではない。最終的にミニマルに帰省した思想がその中に詰まっているように思う。時代の美を独創性で切り取るデザイナーのフレキシブルな要求を忠実に形に作り上げてきた。職人集団としての伝統的技術。彼らは裏方であり、黒幕である。
ジル・サンダーは、究極のミニマリズムを完成させるのにシーラップを選んだ。何故ヨーロッパの名だたるデザイナーは、シーラップを指名するのか?
イタリア・英国にコートファクトリーは沢山ある。シーラップの仕事は、あくまで自社ブランドを売る事ではなく、デザイナーのクリエイティヴな発想を形にする為に研究・挑戦し続けているのである。イタリアンモダンの斬新なデザインから古典的な様式美まであらゆるスタイルを、熟練した技術とハイテク技術を融合し同じスタンスで作り上げる。
シーラップのコートコレクションの一つ一つにはデザイナーの陰が見え隠れする。それで、当然ミニマルな美を追求したシンプルなコートが完成する訳である。
そして、他のコートファクトリーでは考えられないことであるが、古いモデル・アーカイヴのものであっても僕達小さなショップの為に少量であっても生産してくれる。どんなクライアントであっても、分け隔てなく生産してくれる。
「いろいろなコートを作る事」。これがコート職人集団としてのプライドではないだろうか。
僕達がオーダーしているモデルは、シーラップが蓄積してきた技術が結集してできた究極のシンプルものであると確信している。

2012年12月04日

男の隠れ家12

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東京から帰り週末は忙しかった。残業嫌い、仕事しない、この僕が珍しく一生懸命仕事に没頭していた。ガイオラのペトリロ氏と会って、パワーと勇気をもらって久し振りにヤル気になっている。本気になっている。オッチャンが本気になると…怖いよ。何かが起こる。何が起こるんだよ!とにかく忙しいのがちょっと一段落。今週は休ませてもらいます。12月は第3週の水曜まで休ませていただく予定です。人間休む時はしっかり休まないとね。いい仕事出来ないよね。と、言いながら予定もなく、ボーっとファッション誌でも読みながら仕事の事考えてるんだろうなぁ。
師走に入った月曜日の深夜。今1:30A.M。月曜の深夜が好き。花金じゃなく花月。僕の心はもう水曜日。休みモードに入りました。という事は、火曜も休みモードか?頭は休み、体は仕事。いい加減に、もとい気楽にやってますよ。
なんかすごくいい気分で隠れ家でリラックスしております。最近ゲットしたノルウェーの極上リクライニングチェア、EKONESの70’sヴィンテージ(2台目)に身をゆだねて、好きなレコードに囲まれる幸せ。しかし、本当ライト、家具買い過ぎやな。
今日はJAZZの気分。1枚目は、夜の静寂の中響くトランペット。ケニードーハムの「静かなるケニー」。いいタイトルだ。外は木枯らし吹く師走の深夜。隠れ家は、ほのぼのとした温かいストーブの様なバラードのぬくもり。コテコテなモダンジャズは得意じゃない僕だけど、このアルバムは愛聴盤。ジャズ初心者でも聴きやすくおススメです。
そうそう今店舗のプチリニューアル考えてるんです。ウインドーと店内の一部。ウインドーは決まっていて、長年付き合いのある内装屋さんYさんに伝えてはあるんだけど、なかなか来てくれない。忙しいらしいけど、嫌われてんのかな。いつも僕が難しい注文するからな。ウインドーはライティングに凝るつもり。好きなポスターコレクションを入れ替えたり、かなり恰好良くしたいな。何屋さん?洋服屋ってわかんなかったりして。完成したら、「今日のウインドー」としてブログでご紹介する予定です。
さぁ次は、アーネスティンアンダーソンの「WHEN THE SUN GOES DOWN」。大好物のブラック女性ジャズヴォーカル。80年代のアルバムだけど、古いニューヨークの雰囲気。渋いなぁ。ブルージーなヴォーカル。しびれる。まさに、今考えてる店内のレストスペースに似合いそうなサウンド。今の店は改装して22年程経っている。その間何度かリニューアルしてるせいか、死んだ場所(商品が見にくい、目立たないという意味)があって、どうせならそこをお客様に休んでもらうレストスペースにしようかと構想中です。あまりお金はかけられないけど、ここも僕の趣味全開になりそう。壁には古いレンガを使い、50年代ニューヨークのアパートの一室風。今こそ僕が買い過ぎた愛しきジャンクコレクションをお披露目する時です。前にも書きましたが、僕は今時な広い空間、リビングが苦手なんです。欲張りなのか色んな空間が欲しい。その1つを店内に作りたい。
あっもちろんメインは洋服です。理想はキレイな店内ではなく、洋服蔵、洋服倉庫。来春完成予定です。レンガの質にはこだわるだろうけど、2Fの時の様な難しい事言わないから、内装屋Yさん早く来てよね!待ってるよぉ~。

2012年12月01日

出会いと決意

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その日僕の気分は高ぶっていた。ある人と会う為に…。
僕達のビジネス。僕達の夢。これから目指す道。
東京へ着いて僕達が向かったのは、青山キラー通り。
ある人とは、GAIOLAの社長、ベネテッド・デ・ペトリロ氏だ。
今回は、ボリオリ・フェリージ・アマンのプレコレクションを見る予定だった。
ガイオラを扱うアルヴェスティのプレコレは、12月中旬の予定だった。が、ペトリロ氏がガイオラのプレゼンテーションの為来日しているということで、アルヴェスティの社長さんの計らいでペトリロ氏と会うことが出来た。
初対面のペトリロ氏は、180㎝を超える長身で優しい笑顔で迎えてくれた。ブルーの太いチョークストライプのピークドラペル、2ボタンの軽やかなスーツをジャストフィットで颯爽と着ていた。そのスーツ姿の雰囲気にナポリの匂いを感じた。
「流石!」その恰好良さにノックアウト。ちょっと興奮気味の僕は饒舌になり、いろんな質問が次から次と飛び出した。
「僕達は田舎の小さな店だが、スーツ・ジャケットスタイルにこだわりそれを上質かつ適正プライスで、沢山の方に紹介していくことに夢を持っている。ガイオラという素晴らしいナポリクロージングと出会えた事で、夢に向かって一歩進めたような気がして嬉しい。」と伝えた。ペトリロ氏も喜んでくれた。
「私達もまだスタートして間もない会社だ。少人数でやっているから大変だが、商いも少しずつ軌道にのってきている。これも家族の支えがあってこそだ。ブランドの知名度が高くないので、そんなに高いプライスではだせないが、服作りに関してはハンド部分の工程等ナポリの仕立てにこだわっている。適正なプライスでだしていると思う。むしろ、他のブランドは高くつけすぎてるんじゃないかな。貴店のように最初からずっとやってくれている店には、大変感謝している。なんでもいいから思った事があったら遠慮なく言ってくれ。」と言ってくれた。
アルヴェスティの社長さんも「今日のペトリロは、すごく穏やかで上機嫌だよ。いつもと全然違う。」
洋服・ピッティの話から、ガイオラのネームを地元民しか知らない小さい湾の名前からとった話やその美しい風景写真。一緒に来日していた27歳のご子息、ファミリーの話等…。僕には久し振りに充実した時間だった。
正直最近好きなスーツ・ジャケットに対する熱い想い、刺激に欠けていた気がする。服をモノとして見て、少しビジネス志向に走っているのではと感じていた。僕達は洋服屋であり、スーツ屋であるということ。服を楽しむことを忘れていたのではないか?ということをペトリロ氏と話していて思った。
ガイオラというファクトリーブランドの今のスタンス。ペトリロ氏のこれからの夢。なんか僕には、ずっと新鮮に感じられ、すごくうれしく思えた。4時間という時間がアッという間に過ぎた。その後もずっと僕の脳裏からガイオラの服・スタイルが離れない。
小さくてもいい。本当にこのブランドは、ネットビジネス路線にのって欲しくない。僕が心をこめて一着一着大切に仕入れて、僕のやり方でセールスしていく。僕もそんなに若くない。僕が商売を続ける限り、現役である限り、この服と心中していくと何度も何度も心の中で呟いていた。

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