チェックを極める。スーツとして生地を選ぶ時チェック柄の種類は限定されます。ジャケットとしてでしたら、チェック柄のセレクトは幅広く自由です。
言うなれば、チェックのセレクトこそジャケットの醍醐味であり、上級者的センスが問われるポイントではないでしょうか。
僕が子供の頃はお洒落なオジ様のイメージは、チェックのジャケットでした。気のせいか?
シャツもそうですが、チェックの生地選びは慎重になるし、難しいですよ。小さな生地から選ぶ時は、本当イマジネーションの世界です。長年やっていても思ったより派手に仕上がる事もあれば、地味に仕上がる事もある。
今日紹介するガイオラのチェックジャケットはどうだろう。
「正直言って興味ナシ!ジャケットは定番無地でいいんだよ。」という方、「ジャケットは堅苦しいからあまり着ないな。」とジャケットに思い入れのない方は、スルーされることでしょう。多分この先を読むまでもないだろうな。
ここから先は、「面白いチェックじゃん。」と着こなしをイメージされる方、ジャケットを心から愛して楽しめる方向けです。そんな方々でもチェック柄の好みは様々でしょう。
ガイオラ・ナポリモデル。ブルー×グレー×パープル。というとちょっと派手なイメージですが、素材のせいか強い色出しではなく、結構シックな色のハーモニー。ジミーナポリタン風チェック?個人的にいい仕上がりだと思います。
ボリオリのチェック生地は、わりと英国調のものが多いです。
その点ガイオラのチェック生地は面白い。ペトリロ氏の好みかナポリ調なのか、キレイ目で僕好みのチェックが多いんですよ。
今回も気に入ったチェックが多く結構オーダー入れてたんですが、イカした柄が3素材キャンセルになってしまいました。
僕がセレクトするチェック。そんな派手なものはありません。英国調もちょっと苦手かな。イタリアンでいい湯加減なチェックを追い続けたいなぁ。ジャケット1着で引っ張りすぎました?
去年の冬は寒かったせいか、ハイゲージタートルをお探しの方が目立ちました。ここ数年タートルの売り上げが思わしくなかった為、カラーバリエーションを揃えていませんでした。今年の冬はリセットしなくてはとブランドを探していました。
条件。品質も良く、1万5千円前後で出せるニットブランドであること。いつもお世話になっているドゥエアさんで片隅に無造作に積んであるニットをみつけました。
「これって新しいブランド?」担当者「南の方のニットファクトリーです。あまり紹介してないんですよ。アルバーノさんにだけこっそり紹介しましょう。」
例によって、ハイゲージのニットを一枚取り出して、恒例のサイズチェック。そして試着。
「スリムでいいんじゃない。これでこのユーロ?」
イタリア製でこのクォリティでこのプライス。十分すぎるくらいだ。
「決めた!色を見せて。」
Alessandro Luppi。7色選びました。ネイビー・ボルドー・ブルーグレー・ダークブラウン・ライトグレー・ミディアムグレー・チャコールグレー。ゼニア・バルーファ社のウールは、着心地が良く毛玉も出来にくい。納得。何度も言います。1万台中です。あの有名英国ブランド1枚の値段で、このブランドは2枚買えます。イタリア製でこのプライスのメリハリ。全て有名ブランドでかためない。これがアルバーノ流です。おさえるところはおさえましょう。
ガイオラのアンコンスーツにあわせてみました。ん~自己マン。
数年前長いラック一杯使ってもかかりきらない程ボリオリのロングコートを大量に仕入れていました。シングル・ダブル・ピーコート。ウールからコットンモールスキン、コーデュロイ。直輸入してましたから10万アンダーは安かったと思います。
当時のアマンの担当者から「大丈夫ですか?こんなに入れて。」と心配されてました。その頃はカジュアルなアウター(ダウン・キルティング・ミリタリー…)をスーツの上に着る事は常識になっていました。
僕のこだわりか好きだからか、「男ならスーツにはロングコートだぜ。」という考え(古い?)がこびりついていました。頭の片隅にバブル期のあのひきずるようなロングコートの残像が残っていたのかな。
さすがに最近はチェスター、そんなに仕入れてません。でも、チェスターコートのないアウターコーナーは味気ないです。チェスターコートは、スーツ屋の仕事、テリトリーです。だから、当店が入れないはずはありません。
今日は少なくなりましたが、ボリオリのチェスターです。2年程前からチェスターコートもDOVERモデルとして登場しております。ジャケットのあの曲線美をコートにした、軽快でタイトなエレガントスタイル。ボリオリのアイデンティティがつまっています。色は、ブルーグレーとネイビー。着用写真は、サイズ42の店長がサイズ44を着ております。
この前東京へ行った時、客をよそおってセレクトショップのEネーションで、ライバルブランドを試着してきました。「ん~結構恰好いいじゃん。コートはいい勝負だな。」
でも、ジャケット同様味付けは違います。ボリオリDOVERの良さも確信しました。チェスターの選び方。体型と感性の好みによるでしょう。
今秋冬、日本初登場イタリアのニットブランド「SOLOSALI」です。
今年は、ローゲージニットのアウターがやはりきてますね。
こういうローゲージのアウターと言えば、英国スコットランドのフィッシャーマンズセーターをイメージしますが、イタリアで昨年あのブランドのダッフルに火がつき今年は花盛りです。
今日ご紹介のソロサリニットブルゾン。ショールカラーのシンプルなデザインですが、かなりウエイトがあります。これからの季節にもってこいの一着です。タイトに着ると恰好良いでしょう。
もう1型、ニットジャケット。これは軽快なカーディガンタイプ。衿立てで羽織り、巻き物などでボリュームをだすといい感じです。
ご紹介が遅れましたが、ボリオリ秋冬DOVERスーツで一番の人気を誇るフランネルスーツです。DOVERスーツ誕生以来、毎年必ず真っ先にオーダーしている超人気定番素材。
フラノと言ってもそこはDOVER。裏地がついた冬の温か素材というイメージがなく、軽快でソフト、一枚仕立てでリラックス感が漂います。
この素材色は7色あるんですが、ずっと入れ続けているのは、一番人気ネイビーのメランジ。この紺は、ジャケットとしてガンガン単品で着られるところがポイントです。ベタな紺ではないところが人気です。
今年初登場は、ミディアムグレーのメランジ。ちょっとブルーがかっています。これも着まわせそうです。こういうブルーグレーっぽい色は、パンツ単品ではあまり見かけないので紺ジャケなんかに合わせると新鮮です。ジャケットはジーンズとの相性が、特にいいんじゃないかな。
この冬素材フラノをスタイリッシュにエレガントに仕上げ、ある時は構築的に恰好良く決め、ある時はソフトにリラックス感あるくずしたスタイルで着る。
ボリオリDOVERスーツが演出する表と裏の顔、ジキルとハイド。