イタリア ヴァカンス前に出荷された荷物が続々と届きます。
深夜 売り場に一人。バックヤードに積まれたパッキンを引っ張り出す。
何度経験してもパッキンを開けて商品と対面する時の、イタリアの新しい空気がもれ出す瞬間の高揚感はたまりませんね。
キューバのホセアントニオメンデスの甘い歌声が緊張をほぐす。
モチロン自分の所有物ではない。お客様に気に入っていただく為に、イマジネーションを働かせ選んだ渾身の品々。
自分だけの秘密の時間。仕事と趣味の間。至福の時。
パッキンを開けた瞬間から、アルバーノの秋は始まる。
内容は…。
まず一番に届いたのは、デ・ペトリロ。長年 温め続けているナポリの雄。
結果、売り場の3分の2を占める圧倒的在庫量。スーツ・ジャケット・ジレ、今回は完納に近い。
そして、クロージングのニューブランドが登場。皆さんに初めて報告。
SANTANIELLO(サンタニエッロ)。パンツブランドを思い浮かべる方も多いだろう。
実はこのブランド、元来ジャケットを作っていたのだ。
ナポリのそば、サレルモのファクトリー。スーツが入荷。詳しくはまた…。
そして、ボルゾネッラのシャツ。ギ・ローバーのシャツは今日届く予定だったが、台風の影響か届かず。10日くらいか?
今春 大活躍したニットブランド、マクローレン。大量入荷。
ジャケットあり、ブルゾンあり、ジレあり…華やか。
あとは…、お決まりのインコテックス、ザノーネは10日あたり。ケアレーベルも同じくらいになりそう。
ステファノビジのタイも10日。そうそう、ジェルマーノももう届いてもいい頃なんだけど…。
現状 そんなところです。春夏SALEも今月中はひっぱりますので、秋冬物が売り場にだしきれませんが、カオスなアルバーノでお客様のペースでお楽しみ下さい。
満足されない方は、「隠し玉ないか?」とおしゃって下さい。
アルバーノマジック信じるアルよ。
この前アルバーノからNHKの生中継がありました。もちろんローカル。
「富山に全国から集まってくるイタリア、ナポリの服を扱う店がある。」
なんて話題だったらブッちぎってやったんですが、そんな訳ない。
レコードですよ。最近 若者にレコードが見直されているらしく、街中で洋服屋をやってるワタクシがレコード狂ということで、2FにCAFEを始めレコードをかけているという話でON AIR。
生は緊張しますね。まして、NHKさんの綿密周到な打ち合わせ。
リハーサルも3回程して、「え~あの~何だっけ。」って感じで、僕のカットも悲しいかな半分位にされました。
まだアドリブの方がなんとかなるんだけど、決まったことをしゃべるのはどうも苦手ですね。
さて、洋服の話なんですが、モチロン秋冬モノ、少しずつ入荷し始めております。
お盆あたりには、多少揃うと思います。来週には具体的に入荷状況お知らせできると思います。
そんな訳で、SALEまだ引っ張ってますよ。8、9月の装い、秋に着るものをお考えの方、まだまだおススメ残ってます。
そんなモノを店内からピックアップします。
ザノーネの長袖カットソー、ポロシャツ、クルーTシャツ。これはいい。
何がいいって、ザノーネだからいいのだ。なんでこんなカッコいいのが売れないの?なぜ売れない?
きっと試してみないから売れないのだ。プルオーバーは着るのが面倒。僕はプルオーバーだろうが、自慢の7.3分けが乱れようが、展示会で全て必ず着てみる。
デザインセンスがいいブランドは、何を着ても大抵いい。
そんな長袖ポロ。定番モノ。鹿の子とコットンストレッチ。
鹿の子は、白・グリーン・ブルー。ザノーネカラー。
コットンストレッチは、黒・アイボリー。
そして、アイスコットンの長袖Tシャツ。ブラック。スタイリング最高。
なんで売れない?僕の販売力がないからだろう。
試したら、きっと着たくなるよっ!!
ナポリ流とは。前回の最後に、「答えはないも~ん。」
なんて、無責任極まりない発言で締めくくりました。
読まれた方の中には当然拳を固く握りしめた方もいらっしゃることでしょう。そんな方は有難いです。ちゃんと最後まで読んでくださっているという訳で、(一応一生懸命書いている僕としては)頭が下がる想いです。
結論として、僕には「ナポリ流」の明確な定義は出来ませんでした。
ただ、ナポリには腕があるし、手があります。
工場、工房が独創的な製法を身につけています。頑固であり、頑なに守り続けられる技術、伝統が根付いています。
それは、ピン、キリであり、多種多様であり、一つにまとめられません。
今 僕は完全にナポリに魂を売ってしまったようです。気がつけばイタリアというより、ナポリスーツ屋と化けております。
皆さんと一緒に入門編としてのナポリを、まず愉しみましょう。風格と色気は間違いありません。精神はエレガントに自分自身を磨き、ステップアップしていきましょう。
そのうち本物のナポリが見えてくる、かも知れません。
TITO3回目はスーツです。
アルバーノではTITOを扱い、もう2年経ちます。今回から2つ目の工場に変わりました。
基本パターン、モデル全て同じなんですが、仕上がりは違います。工場の技術、伝統が味を変えました。
それがナポリ。その一部始終を担当F氏から聞きながら、服作りの奥深さを知り、ナポリの面白さを実感します。
1番目は、ロロピアーナのミディアムグレーグレンチェック。打ち込みの強い生地。
2番目は、E・トーマスのモヘアウール。モヘアの光沢が美しいネイビーブルー。
3番目は、グアベロのファブリック。ブルーがほんのりかかったハケメのグレー。
ポケットは両玉縁。パンツは全て1タック。そんなに細すぎず、作りは腕のいいパンツ職人が作ります。
2FのCAFEの話が続く。店主のMさんは、市が運営するミニシアターを任されていた。残念ながら、昨年閉館になった。
一昨年出来たシネコンに、市がかなり補助した為だと聞く。Mさんと愛好会が存続先を探していたところ、当商店街(アルバーノのそば)で、クラブをやっていたT氏がその場所を提供し、シネマカフェとしてやることになった。
今の街中にそんなコアなシネマカフェが誕生したことは、すご~く大きい。
志の輔が月イチ出る寄席。ライブハウスもいくつもできた。ミレーの絵を集めたギャラリー。結婚式の2次会で使われる人気パーティースペース。ジャズ喫茶…。そして、ミニシアター「ほとり座」。
文化的スポットが増えてきている。イ~ッネ!
一般的には、「淋しくなったね。」という声は多い。
僕自身は小さな芽は出てきている、と感じている。後は、いろんなものがリンクしていけばいい。
日本で一つしかない面白い商店街。夢じゃない。
2FCAFE54.「ほとり座」の事務所も兼ねている。店主のMさんがほとり座をサポートしながら、カフェでイベントや大人の遊び場と銘打って、徒然草を詠む会、本場ソウルシンガーによる英会話…etcといった独自性のある集いを行っている。
僕も今考えているのは、週一日ジャンルやテーマを絞っての「音楽を愉しむ日」。
「ジャズ」、「ロック」、「ラテン」…の日。「叙情」、「郷愁」、…日。僕自身の独断のセレクトで時間があれば、僕がCD、レコードをかける(DJという言い方はなじまない。)
近いうちに始めよう。
さて、今日はシャツはアート。まだ紹介していないうちに、サイズ欠け、完売のものが出てきました。
とりあえず、ラストスパートで紹介します。
ボルゾネッラから、1番目、シャンブレーのコットン。襟はセミワイド。
2番目、紺のオックスフォード。襟はセミワイド。
3番目、レギュラー襟のピンタック白。生地はオックス。
4番目、デニムシャツ。ヘリンボーン。襟はセミワイド。
5番目、シアサッカーストライプ。ボタンダウン。
続いて、エリコ・フォルミコラのワイドカラー2マーク。
6番目、リネン100、ライトブラーブロックチェック。
7番目、リネン100、ライトブルーストライプ。
ラストは、ギ・ローバーのカプリシャツから。
8番目、白オックス、長袖。9番目、ネップ入りコットンのグレーストライプ、7分袖。
まだ、モスカ等紹介出来なかったものもあるんだけど、今季のシャツはアート。これで最後になります。定番モノが多くなりました。
朝 7:30に起床。OPEN前に、2つの仕事がある。
一つは、80を過ぎた親父の世話。
もう一つは、前回話した2FのCAFEで1日かける音楽のセレクト。音楽CAFE54としての流儀がある。
それは、17年前始めた頃から変わらない。
レコードは片面のみ(約20分)。CDは、約15~20分(4~5曲)。1時間に3枚のペースでかけていく。
ボリュームはしっかり聴かせる音。録音レベルは結構差があるが、マッキントッシュのアンプでレコードは2、CDは1.2レベル。ボリュームの大きさは重要。
リクエストがあれば、その時かかっているのが終わった後に20~30分間。
僕がやっていた頃はそれらを徹底してやっていたが、今は現店主にそのように伝えてある。
僕がいなくても、ゲストにいい音に出会って欲しい。
朝の天候、気温等を肌で感じ、ジャンルにとらわれず、イマジネーションを研ぎ澄ませて選ぶ。レコード10枚。CD10枚。
ジャズ、ジャズヴォーカル、シンガーソングライター、キューバ フィーリン、イタリア カンタトゥーレ、アルゼンチン ネオフォルクローレ、アンビエント、日本'70フォーク…etc。
心穏やかになり、心に染み入るような優しい音を探す。
梅雨の晴れ間。ひんやりとした一日のスタートは、ストックホルムの少女スティーナの繊細でこわれそうな歌声から始めよう。
さて、今日は説明はいらないだろう。ギ・ローバーの鹿の子ポロ。
3マーク。前開きシャツ2マーク。
白・メランジブルーがボタンプルオーバー、ブルーグレーがスキッパー、前開きがグレー・濃紺。
一家に一枚、二枚…三枚ってとこかな?