「スーツ・ジャケットにこだわっていきたい」。
それが僕のモチベーションであり、永遠のテーマであるのはご存知でしょうが、スーツ・ジャケットがバッチリ決まったら、次のターゲットはシャツであります。スーツ・ジャケットを着た時の名脇役としてのポジション。上衣を脱げば、主役の代わりを命ぜられます。脇役とは失礼か。とにかく僕は上半身には固執します。
そんな訳で「シャツはアート」。ジャケット・スーツで表現できないアートを魅せるシャツにはこだわりたいもんです。フィナモレの様に感動的な出会いを求めます。
昨年からアルバーノシャツ部門に仲間入りした「ディ・クルティス」。ナポリのシャツブランド。昨秋冬からスタートしました。今春夏は真価が問われます。
僕の中では合格点は出ているんですが、お客様の評価が第一です。僕自身のプライス考。ドレスシャツは2万位、カジュアルシャツは2.5万アンダー。長年そこにはこだわってきました。
最近のユーロ高、イタリアの景気から、そのプライスもかなりシビアになっています。
ただ、このシャツはそのあたりは余裕でクリアしてくれます。安ければいいというのはあり得ません。この格好イ~シャツがこのプライス!とにかく恰好良くなければ、シャツじゃないよ。
「ディ・クルティス」の評価は?
まず、袖付けがスゴイ。かなり内側に入った攻めた仕様。(フィナモレより内側。)そこだけハンドで仕上げ、肩を動かしやすくしてあります。高いコストパフォーマンス。
バストは普通ですが、ウエストが結構細くあがってます。(これは珍しい。)肩とウエストでかなりピッタリした印象です。衿は、沢山モデルがあるんですが、今回は4種類をセレクト。
今日ご紹介するのは、まず、カジュアルとして一枚勝負できるワンピースカラー(開襟)「POSITANO」と言います。
前衿2㎝、後衿3.5㎝と低い。後ろを立たせるとコンパクトな衿がいい感じに主張します。チャコールグレーと白のワッフル素材はナチュラルストレッチ。(白は41㎝のみになりました、ゴメンナサイ。)
もう一つは、チェック柄、白ベースにブルー、イエローの細かい柄。
最後は「MIGNANO」という、カッタウェイタイプ。衿はハードではなく、ソフトで軽い洗いがかかります。ブルー系チェックは、かなり鮮やか。衿がソフトでかなり自由に表現できます。
次回は、ドレスシャツを中心にご紹介します。
2度目のご紹介となります。オリジナルヴィンテージスタイル(O.V.S)。
全量が入荷したとのことですが、パート1で予想した通りかなりのキャンセルがでた模様です。ガックシ。残念。
特に、思い切り遊びで使えると思っていたスーツ、大好きなジャケットは全てアウト。パンツはなんとか入荷したんですが、ジレがない!ジャケットがない!クリープを入れないコーヒーみたい。(古すぎるって。)
スリーピースとして、ネオヴィンテージ全開でレトロにタイトに着こなしてもらうイメージだったのですが…。
カットソーも大量にオーダーしていたのに。
まぁ予想していたのだから、予想的中!(喜んでいる場合じゃない。)
でも、でも、僕は、このブランド好きです。ついていきますよ。何があろうと。アルヴェスティが扱う限りは。
こんな風にヴィンテージをコンセプトにした大人のイカしたブランド。本物の古着は、仕入れるルートを知らない。イタリアンヴィンテージは、見たことがない。誰か知ってる人がいたら教えてちょうだい。個人的にインテリアやジャンクオブジェ等は、かなり集めた話はブログで書いた。ペルソールのヴィンテージも、昔はかなり揃えたんだけど、今はなくなった。
今回ご紹介するのは、ジレ・パンツ・長袖カットソーです。
イタリアの古着はあまりお目にかかったことはないですが、O.V.Sの服はそんな古着を今のサイジングにモディファイしたスタイルだと想像します。
まずは、Vゾーン狭いジレ。素材は、ヴィンテージ感たっぷりの織り。パンツも同素材です。これにジャケットが入荷するはずだったのに…。
続いて、コットンリネンのテーパードパンツ。強い洗いと素材がベストマッチ。これもジレとジャケットがあれば…。最高に恰好良かっただろうに。
長袖のヘンリーネック。一応ブラックなんですけど、色落ちがハンバじゃなく黒じゃなくなってます。素材はコットン100。
最後にポロシャツ3色。白・ロイヤルブルー・ネイビー。鹿の子なんですが、衿裏がシャツ地になっているのが面白い。衿立てがいい感じです。
サイジングも良いし、安いし、後は、今秋冬はキャンセルが少ないことを祈るばかりです。
皆さんもあると思いますが、初めての飲食店に入ると「ここのおススメはなんですか?」なんて聞いたりしません?
「これなんか人気ですよ。皆さん注文されます。」なんて聞くと、「じゃぁそれにして下さい。」となります。
洋服屋もそんな方が多いと張り切っておススメするんですが、そうはいかない訳だ。目的は人それぞれでございます。
当店もメニューは多くはないですが、ひとつのメニューにとことんこだわっております。
今一番こだわっているのが、「GAIOLA」です。
「おススメは?」と聞かれると、最初は「NAPOLIモデルからいかがです。」なんて勧めます。
でも、GAIOLAにはいろいろなライン・モデルのオプションが存在します。
今日はNAPOLIモデルではなく、一つその素材から新作モデルを中心にいくつかの表情をご紹介いたします。
まず、コットンストレッチのブルーグレーの生地で、3タイプオーダーしました。
1番目が、新作ニューアンコンライン「メディタラーニャ」から、3ボタンパッチポケットの「ANACAPRI」。
この新作「メディタラーニャ」、大見返しのアンコン仕立てですが、着るとのぼりがかなり高い構築的なラインです。9㎝ラペルのハイゴージが圧巻です。
2番目は、同ラインから2ボタンフラップ有りの「JOVIS」というモデル。1番目の「ANACAPRI」は、3ボタンの真ん中ボタンが上から41㎝。このモデルは、2ボタンの上のボタンが上から43㎝と、2㎝程低い。その2㎝でラペルの返りが大きくなり、ラペルがよりワイドに見えます。
3番目は、数年前からのアンコンライン「アゴエフィロ」ラインから、「RUBINO」モデル。お馴染みです。ファンも多い、シャツ仕立てに近い軽さ。
1、2番は、スーツ、3番目はJKになります。
次の素材がGAIOLA・1でもご紹介した、黒の織りが入ったウール・リネン。
上から「ANACAPRI」。次が「メディタラーニャ」ラインのピークドラペル、2ボタン「TRAGARA」。3番目が「アゴエフィロ」ラインからダブル4ボタン、3パッチポケット「TURCHESE」。
3モデル共にジャケットです。
ちょっとややこしいでしょう。ややこしくしてお客様を迷わせようと…ウソウソ。それだけ僕自身GAIOLAのファクトリーとしてのメリットを最大限に楽しみたいのです。
1つのブランドでジャケットの懐の深さ、奥行きの面白さを伝えたいと思っております。
なんせジャケットは、最終的に素材で選ぶのがセオリーです。
スーツ屋アルバーノ的解釈として、作り・デザイン・シルエット・ディティールによって生み出される、アートな部分にもっと目を向けて、楽しんでもらいたいと思う次第であります。
フェリージで日本にイタリアバッグ旋風を起こした代理店フィーゴ。今ではフェリージのフィーゴというイメージですが、僕がこの業界に入ったバブル期、フィーゴはイタリア服を扱う代理店として、名をととろかしていました。
ちょっと昔話になりますが、そんなの興味ないという方はとばして下さい。
30歳手前の若輩の僕は、勇気を振り絞ってフィーゴにラブコールしたことを今でもはっきり覚えています。当時フィーゴと言えば、人気クロージングブランド「コルネリアーニ」を筆頭に多くのブランドを扱っていました。その時のコルネリアーニ、恰好良かった。今でも世界的ブランドである「コルネリアーニ」ですが、なんでこんなに高くなったの?フィーゴでやっていた頃は、10万そこそこだったのに。当時はもっと高い「パルジレリ」や「イザイア」もやっていたんですよ。当時のイタリア服は、どれも個性のかたまりでした。周りの店から少し遅れをとった、駆け出しの当店もバブルの波に乗りながら、当時イケイケのゲイナーやブルータス(両方とも雑誌)等を読んで、おびただしい数のイタリアンブランドの情報を集めていました。
当時フィーゴの展示会に行くと、ひとクセもふたクセもある殺されそうに怪しい(失礼)オジサマ達に混じり、爽やか全開の僕も必死にバイイングしてました。
ちょっと長くなりそうなのでこの辺にして、フィーゴですがフェリージが大ヒットして以来、徐々に洋服を減らしていき、フェリージ1本で勝負するようになり、15年くらいたちますかね。
「洋服もまたやりたいんですよ。」と聞いていて、昨年からいよいよ動きだしましたね。
期待してますよ。胸が騒ぐような、いいブランド紹介して下さい。フィーゴのセレクションは、昔から定評がありましたから。なんかアっという隠し玉なんかも出してきそうです。
昨年挨拶代わりの、「ハンコック」なんかもいいところついてるんじゃないですか。
今日ご紹介する、「アスペジ」は意外でしたね。メジャーブランドだけに、フィーゴが??
そんな訳で久し振りでございます。「ASPESI」。スプリングアウターは最近あまり動かないので、少々のトライアルです。
まずは、相当昔扱っていた人気のシャツブルゾン。まだありましたよ。長い!復活です。ナイロンシャツのデザインに中綿サーモアが入っています。今着るのにちょうどよい。軽い。
色は沢山ある中から、ロイヤルブルーとカーキブラウンをチョイス。
そして、アスペジと言えばM65でしょう。濃紺1色。1色しかオーダーしてなかったかなぁ。この弱気モノが。
まぁ、そんな訳でフィーゴが真剣に洋服をやりだすと、怖いですよ?!何かが起こります。そんな気がするなぁ。
インコテックスもまだ紹介しておりませんが、今春夏は多めに注文しました。1940年創業の南イタリアのパンツメーカー、GERMANO。久し振りに帰ってきました。
4月からの増税を考えた時、アルバーノにとしては3万円を超えるパンツメーカーばかりでは、当店らしくないと判断し、2万円台前半で出せるパンツブランドを考えたところ、このブランドに帰ってきました。
70年超にわたり、トップブランドのOEMを請け負ってきた本格派。メイドインイタリーに長年こだわり続けている数少ないブランドです。
そんなブランドが、なぜにこのプライスで出せるのか?直輸入ではないのですが、それに近い形で仕入れ出来る為であります。
ウールスラックスはインコテックスを主軸とし、カジュアルパンツは臨機応変にやっていきます。
今回GERMANO。以前もやっていたのと同じテーパード28番とNEWモデルEXTRA SLIMも入れております。
まずは、そのEXTRA SLIMから4色。白・サックスブルー・ライトブラウン・濃紺。17cmのスソ巾のウルトラテーパード。ワンサイズアップで考えられた方が良いでしょう。
そして、定番の人気モデル28番。スソ巾18㎝のテーパードモデル。インコテックス30番とシルエットは非常に似ています。色は、ブルー・パープル・紺・カーキの4色です。
最後は、同モデルのウールスラックス。ブルー混のグレーになります。
そんなにネームバリューはありませんが、長年にわたり日本市場に根付いてきた歴史のあるパンツメーカー。ぜひ一度お試しを。