このクロージングブランド、ジャケット・スーツのスタイリングも個性的なんですが、コートがまた独特、恰好良いのです。
今年初めの展示会。ジャケット・スーツよりも先に目に飛び込んできたのは、ワンスパンにぎっしりかかるコートのコレクション。素材の面白さに目をとられ、デザインをチェックしていると、「コートメーカーに来たんじゃないか。」と錯覚するほどのバリエーション。1点1点得意のファッションチェ~ック。
「こりゃ参った!どれも恰好良いぞ。」頭が混乱するくらい魅力的。その上ここはクロージングメーカー、載せ替えられる生地が豊富。真剣に悩みだす。最終的に4モデルに絞り込み、タリアトーレならではの生地の載せ替えをイメージする。
イタリアのスナップでも、「スタイリング、素材面白いんだけど、どこのコートだろう。」と見ていたコート。タリアトーレでした。納得です。このデザイン、スタイリングの良さは、ほっとかないわ。
と言う訳で、その悩んだ4モデルです。
まずは、これが良くスナップで見かけたポロコート。ウエストのシェイプ、衿の雰囲気が独特。見るからにコートやコートの雰囲気じゃない。カシミヤが少し入った柔らかなネイビーウール。ポロコートは無難に。
続いて、個人的にすごく気に入りました。ピーコート。ちょっと丈長め。選んだ素材がお洒落。モノトーンのミックスモヘア。そんなに毛足は無いです。グリーンのクルミボタンをチョイス。(ここはボタンの種類が選べるんです。)
3つめが、変形スタンドカラー、シングル。丈はハーフロング。こんなデザインは初めてです。着てみると、なんかすごくバランスがいい。注目は素材。大柄ヘリンボーン、ネップツィード。存在感タップリ。モノトーン調。
4つめは、上と色違いのブラウン。実は、僕が大の苦手のダッフルコート。どうしてもいいと思えないのですが、ここのは袖を通すとビックリ。なんかいつものイメージと違う。スタイリング、素材のせいか、なんかスクールっぽいイメージがない。大人のイタリア風。予定外のオーダー。
タリアトーレのコート。ウマイとこついてます。男心をくすぐります。
ぜひ着てみて下さい。何かを感じてもらえるはずです。
シーラップの紹介も佳境に入ってきました。このタイミングですよ。皆さん早すぎるんだよなぁ。あわてない、あわてない。あわてて買って気が変わることもあるかもよ。寒くなってきました。コートは着たい時が買い時ですよ。
今日は、シーラップの3日目。ということは、トリにあの大ヒットコート(当店だけか?)の出番をご想像されるでしょう。ところがどっこい。期待もモッコリ膨らみますが、ちょっとじらすことも販売マニュアルとしては、必要であると習いました。「じらさないで。」という声に耳をふさいで、今日はシーラップのニューフェイス、ダウンコートです。コートファクトリーですもの、ダウンもいろいろとやっております。仕入れるのは久し振りですが、これがエクセレント!僕がLEON編集長だったら、ジローラモに着させて「脱力リッチにニットとダウン」なんて表紙にドーン。‘あのコのハートも温めるヌックヌクなシーラップ’なんて、タイトルページにドーン。パクリましたよ。おフランスMやD。おイタリアHやTやPやAを差し置いて、僕ならシーラップ推しまくりますね。ムーレーもいいんだけど、ちょっとアルバーノにはお高くて。今度ね、アルヴェスティさん。それくらいに気に入ったってことです。なのに、1色だけかよ、この臆病者が!まぁまぁ、今後アルバーノ・シーラップ定番ダウンに認定してもいいんじゃないかな?今度戦略会議で(2人しかいないのに)、提案しようと思います。
マジでこのダウン。本当いいですよ。そりゃコート職人集団シーラップが作るんだもん、クォリティは折り紙つき。フード付きのハーフロング。シンプルで流行なさそう。美しいリモンタのナイロン。リアルグースダウン・クラス1。作りは当然メイドインイタリー。問題は、サイジングとスタイリング。日本人にバッチリ、スリムでシャープ。サンプルが大きすぎて、僕には正直わかりづらかった。だから、1色だけになったんだけど。出来上がりの小さいサイズを着ると、「もっと入れとけよ。」と得意の台詞。当店もおフランスMやおイタリアのHやPのダウンもやりました。
でも、これは素晴らしい。この抜け感。これだからシーラップはあなどれないんですよ。そして、問題はお・ね・だ・ん。オーダーした頃は、まだ1E=110円位だったんですけど、入荷時は135円。それでも直輸入のメリットでございます。アルバーノ、ピースプライス。
シーラップは10万を超えさせませんよ。僕のシーラップ愛にかけて。
さて、来年あたりはシーラップ4番目の定番モデルとして、3色は並んでるんじゃないかな。
ベストがここ数年流行っている。いい事だ。「ベストを制する者は、ファッションを制す。」である。
ドレッシーにカジュアルに使い方は様々だ。ただ、ニットベストを中心にしたカジュアル系ベストの方が、使いやすく人気だろう。アルバーノでは、当然クロージング仕様の「オッドベスト」にこだわりたい。クラシックなデザインのものが新しい。衿付きやダブル等は、気恥ずかしいと思われる方も多いだろう。スリーピース、ツーピースでカッチリ決める。当然お洒落度UP。でも、それをカジュアルダウンで、デニムやチノと合わせるのも今風な使い方。意表をついていていいんじゃないかなぁ。
そういう意味で、オッドベストの使い方は人それぞれ感性、個性、イマジネーションが問われる。クラシック回帰に、このアイテムが大きなカギを握っているのは間違いない。今回GAIOLAでは、いろんなデザインのベストを提案している。そんなGAIOLAが好きだなぁ。
なるべくジャケットのツーピース、スーツとのスリーピースになるベスト。いろんなシーンで使いやすく、お洒落で浮きすぎないベストをチョイスしたつもりだ。
でも、出来上がってきたジャケット、スーツの素材を見て、「これにこんなベストをオーダーしとけば恰好良かったなぁ。」と後悔したり。
今日ご紹介するのは、ジャケットとベストがセットに出来るもの(別売りです。)を中心に選んでみた。カジュアル系着こなしには、バッチリなクラシックモデル。
まずは、昨年もやっております。昨年人気だったので、今年もオーダーしました。ベストは初めてです。
紺にブルーのグレンチェック。ヴィンテージ調ファブリック。ジャケットはナポリモデル。3BNAPOLI。ベストは一番ベーシックPROCIDA。
次が、ショールカラーのダブルベスト。ISCHIAとベーシックPROCIDA。JKが、アンコンAGO E FILOのRUBINOとナポリのピークドラペルMERGELLINA。ベスト2種とジャケット2種。2セットで組み合わせてみました。かなり遊んでみましたが、全て使いやすいですよ。全て素材は同じです。ダークグリーンベースに黒×赤のチェック。生地スワッチで見ていたより実物はシックかな。
最後のベストは、上とはちょっと違う大衿ショールのダブルPANCIOTTOと言います。JKは、2つボタンRIVERAをセレクト。これはスーツになります。要はスリーピースも可。素材は、フラノへリンボーン。色はグリーン×グレーという絶妙な色。実は、僕も着用しています。大変気に入ってます。
上2つは、かなり自由に使いまわしてもらえると思います。
次の機会に、フラノ系スリーピースをもう少しご紹介します。
数年前、初めてこのコートを着た瞬間固まりましたよ。鏡に映る自分のスタイルにしばし見とれました。
「ハーッ!」。3分は動かなかったなぁ。いい服は鏡が証明してくれます。鏡は正直です。あなたの心の中も写し出すかもよ。(クサイか。)まぁ、ウソつき鏡もあるらしいけど。とにかく近づいてみたり、離れてみたり、回ってみたり、ポーズをとってみたり(セクシーなじゃないですよ。)
「何かが違うぞ!」メリハリとゆるやかなドレープが生み出す色気。
「これはなんなんだろう。こんなにシンプルなのに。」
シーラップの傑作ステンカラーコート。このコートとの出会いも衝撃的でした。
英国Mは、ほんのりAラインステンカラー、伊国Hのベルト付き端正なステンカラー。それは魅力的です。ただ、このシーラップのステンカラー、どうでしょうか。別物でしょう。本当ミニマルな美。デザイナーブランドを数多く手がけるコートファクトリーだからこそ作り得たアイデンティティ。僕はこれは一期一会と確信しました。それ以来アルバーノ定番ステンカラーに認定しました。
シンプルだけど、鏡に映すと必ずわかってもらえる。変わらなくていい。時代とズレてなければ。20年、30年も着ませんから。その頃には洋服のスタイルはどこにいっているのだろう。
本当シーラップのコートは、日本人を意識していない。高級服にかぶれているこの国を。いくらデザインが良くても日本人のサイズに合わないと。だから、自分の目で1つ1つ確かめる。そうするとこんなお宝が見つかるんです。
ウールステンカラーコート。素材は、昨日のピーコートと全く同じメルトンです。色は、ピーコートと同じ濃紺と、黒もあります。肩は、セットインラグラン(前はつけ袖、後ろはラグラン)。ボタンは比翼仕立て。若干高位置でウエストを微妙にしぼってます。
年齢問いません。スタイル問いません。スタンダードなステンカラーは永久に不滅です。