イタリアを特集した雑誌は買うようにしている。
1998年12月のBRUTUS。Made In Italyカタログ。
パラパラ見ていると、オーダースーツのカテゴリーにナポリのアントニオ・ラ・ピニョッラの記事があった。写真に写っているのは、ピニョッラとベネテッド・デ・ペトリロだ。もともと衣料品の製造、販売を手掛けていたペトリロが、ピニョッラと出会い彼のサルトとしての腕前に惚れ込み、ス・ミズーラ(オーダー)の為の新会社を発足させた。
ピニョッラは、ス・ミズーラとプレタポルテの両方を手掛け、ハンドを多用したナポリスーツを作っている。と記事に書いてある。これから約10年後ペトリロがナポリでプレタポルテのブランド「GAIOLA」を立ち上げるのである。ピニョッラの職人技を受け継いでいる。確実にガイオラにはピニョッラの服作りのノウハウが宿っている。
ピニョッラの仕立てなら30万円は必至だ。ガイオラはコストパフォーマンスを重視した。リーズナブルなプライスを実現。ペトリロのこの企画は、ナポリでは他に例がない新しいスタイルであり挑戦である。僕も期待している。
最後に入荷したナポリモデルスーツ2型です。
まず、ネイビーのチョークストライプ。このファブリック「ナポリをまとう1」でご紹介したアンコンスーツと同素材です。芯ありノーパットのナポリモデルで構築的スタイル。アンコンモデルと着比べてみました。
続いて、ブルーグレーのヘリンボーン。絶妙な色です。一見無地ではありますが、角度によってはヘリンボーンがシャドーストライプに見えます。
後継者不足のナポリサルトの現状。ガイオラのような新しいナポリブランドは、ナポリにとってもこれからをになう、愉しみな新星だ。応援していきたい。
サイズの作り違いでオールキャンセルになってしまった、L.B.M1911のレディースジャケット。
代理店さんにイタリアにある在庫を少々取り寄せてもらいました。サイズ40にしては小さめに仕上がっていると感じます。
ベージュのウールとコットングレーのガーメントダイの2型。仕立て、クォリティはメンズと同じです。少ないですが、興味のある方ご連絡下さい。
無味乾燥な日常に疲れると、衝動的にどこかへ行きたくなる。
スケジュールとは無縁の旅。
忙しさは言い訳だ。
自分以外の何者にも時間をコントロールされない、
そんな旅のパートナーは、
少し大きめの、そして永年使い古したフェリージの鞄。
中に詰め込むのは必要最低限の荷物だけ。
見知らぬ土地の空気と思い出を、
乗せて帰るために。
まだフェリージが人気になる前に出された、古いフェリージのカタログに書かれていた文章が好きだ。
昔からフェリージのショールームを訪れるたびに、大きなバッグに目がいってしまう。最近は残念ながら大きなバッグの数が減ってしまったかな。
大きなバッグを見ていると、ドリーミィーな気分になる。特にフェリージのバッグには…。
どこかレトロ感を残すが、アンティークというほど古い感じはしない。それは、武骨なレザーとナイロン、キャンバスの絶妙なハーモニーからくるのかな。
それと、形。意表をつく縦長のモノがあったり、台形のモノがあったり。デザインの発想がさりげなく斬新。見ているだけで、イメージが膨らむ。部屋においておくだけで、インテリアになるのでは?そんなフェリージのトラベルバッグが好きだ。
新作のトラベルバッグ2型です。
フェリージの昔からのポピュラーなトラベルバッグと言えば、お馴染みP3、P4だ。今までチョコチョコと仕入れてきた。このバッグの機能性、耐久性の良さには、買われた方皆、驚かれている。
客注があれば、P3,P4を入れるのだが、今回お手頃プライスなトラベルバッグ2型発見。非常にシンプルなデザイン。
1つは、ネイビー。もう1つは、新色OIL(ブルーグリーン)。いい色だ。どちらも幅44センチ位。高さは34センチ位で同じ位の大きさだ。
さぁ、このトラベルバッグを持って、どこへ向かおうか。そして、見知らぬ土地の空気と思い出を沢山つめて帰ろう。
チェックを極める。スーツとして生地を選ぶ時チェック柄の種類は限定されます。ジャケットとしてでしたら、チェック柄のセレクトは幅広く自由です。
言うなれば、チェックのセレクトこそジャケットの醍醐味であり、上級者的センスが問われるポイントではないでしょうか。
僕が子供の頃はお洒落なオジ様のイメージは、チェックのジャケットでした。気のせいか?
シャツもそうですが、チェックの生地選びは慎重になるし、難しいですよ。小さな生地から選ぶ時は、本当イマジネーションの世界です。長年やっていても思ったより派手に仕上がる事もあれば、地味に仕上がる事もある。
今日紹介するガイオラのチェックジャケットはどうだろう。
「正直言って興味ナシ!ジャケットは定番無地でいいんだよ。」という方、「ジャケットは堅苦しいからあまり着ないな。」とジャケットに思い入れのない方は、スルーされることでしょう。多分この先を読むまでもないだろうな。
ここから先は、「面白いチェックじゃん。」と着こなしをイメージされる方、ジャケットを心から愛して楽しめる方向けです。そんな方々でもチェック柄の好みは様々でしょう。
ガイオラ・ナポリモデル。ブルー×グレー×パープル。というとちょっと派手なイメージですが、素材のせいか強い色出しではなく、結構シックな色のハーモニー。ジミーナポリタン風チェック?個人的にいい仕上がりだと思います。
ボリオリのチェック生地は、わりと英国調のものが多いです。
その点ガイオラのチェック生地は面白い。ペトリロ氏の好みかナポリ調なのか、キレイ目で僕好みのチェックが多いんですよ。
今回も気に入ったチェックが多く結構オーダー入れてたんですが、イカした柄が3素材キャンセルになってしまいました。
僕がセレクトするチェック。そんな派手なものはありません。英国調もちょっと苦手かな。イタリアンでいい湯加減なチェックを追い続けたいなぁ。ジャケット1着で引っ張りすぎました?
去年の冬は寒かったせいか、ハイゲージタートルをお探しの方が目立ちました。ここ数年タートルの売り上げが思わしくなかった為、カラーバリエーションを揃えていませんでした。今年の冬はリセットしなくてはとブランドを探していました。
条件。品質も良く、1万5千円前後で出せるニットブランドであること。いつもお世話になっているドゥエアさんで片隅に無造作に積んであるニットをみつけました。
「これって新しいブランド?」担当者「南の方のニットファクトリーです。あまり紹介してないんですよ。アルバーノさんにだけこっそり紹介しましょう。」
例によって、ハイゲージのニットを一枚取り出して、恒例のサイズチェック。そして試着。
「スリムでいいんじゃない。これでこのユーロ?」
イタリア製でこのクォリティでこのプライス。十分すぎるくらいだ。
「決めた!色を見せて。」
Alessandro Luppi。7色選びました。ネイビー・ボルドー・ブルーグレー・ダークブラウン・ライトグレー・ミディアムグレー・チャコールグレー。ゼニア・バルーファ社のウールは、着心地が良く毛玉も出来にくい。納得。何度も言います。1万台中です。あの有名英国ブランド1枚の値段で、このブランドは2枚買えます。イタリア製でこのプライスのメリハリ。全て有名ブランドでかためない。これがアルバーノ流です。おさえるところはおさえましょう。
ガイオラのアンコンスーツにあわせてみました。ん~自己マン。