ジャイアンツが死ぬほど好きな野球小僧がいた。
ジャイアンツの選手のプロフィールは全て暗記し、応接室では夜ごと妄想ジャイアンツ戦が繰り広げられていた。
ジャイアンツのピッチャーに一人長谷川という新人がいて、剛速球で大活躍するというのがいつもの展開。
試合は勝手な妄想で進み、最後ジャイアンツが勝つのがお決まり。ありがたい小僧もいたもんだ。
勿論 これは私のこと。でも、その小僧はジャイアンツの帽子をかぶることはなかった。
それは皆、ジャイアンツ帽だったから。あまのじゃくな性格はその頃からだ。
フェリージが入荷してきたんだけど、これほどあまのじゃく心をくすぐられるバッグもないだろう。
新作を含めたモデル数。そして、色のセレクト。1モデル200通りオーダーできるものもある。
展示会に行ってSさんから、「長谷川さん、これコンビ出来ますよ。」
なんて聞いた時には、そりゃ~あんたさん、もう ねぇ?(これって富山弁か?)
僕のあまのじゃく脳が暴走、大暴走を始める。
ぶっとんだ組み合わせも出来るんだけど、あくまで売れそうな範疇で面白いコンビを考えているつもり。
男のバッグなら、ベーシックで人気のある色をセレクトするのがセオリー。
それは当然だし、オーダーもするよ。だけど、せっかく選べるんだからちょっとひねって、誰も持ってないコンビを考えることが僕達小さな店が出来る特権、だと言い聞かせている。
使って良し、人から珍しい色のコンビだねと褒められ、飾っても絵になるアートなバッグ。少しづつ紹介していくよ。
まずは、最近人気のビジネスバッグ、12/41。
ストラップ付きで1泊出張は可能かな。さ~て、色ですよ。皮やナイロン、200通りコース。
そこで、『人とかぶらない党』党首のワタクシの出番。あまのじゃく人生の本領発揮。
まずは、ナイロン新色ROPE。グレーのようでグレーじゃない、ベン、ベン。ベージュのようでベージュじゃない、ベン、ベン。それは何かと尋ねたら…ライトグレージュということで。このビミョーな色頃をマッチする皮は、ダークブラウン。
もう一つ。ダーク系だよね。ダークブラウンのナイロン。ウン、ウン。皮は?ナニ~やっちゃった!
グレーどえす。これはドSしか選ばない(僕自身は違いますけど)配色だ。
まぁ、ナイロンがノーマルですから、ちょっとひねってみただけ。オンリーワン確実でしょう。ナイスセレクト!と言っておこう。
そして、クラッチバッグ。38×28cm。これもコンビネーション出来ます。
シックなダークブラン×ネイビーとOIL(ブルー系)×ネイビー。
なかなかインテリジェンスな組み合わせでしょう。
お久し振りです。夢の中をさまよっておりました。今日は長くなるかも…。
皆さんご存知でしょうが、僕は昔からスーツが大好物。聞いただけで瞳に星キラリ。
それは40年近く経った今でも変わりません。
理想のファッションスタイルNO.1は、いろんなスーツをカジュアルに自由に着まわすこと。
だから、今の仕事は楽しいですよ。4代目にあたる僕にとって、家業がスーツ屋であったことに感謝しないとね。昨年 星になったオヤジ、ありがとね。
でもね、家業と僕のスーツ好きは結びつきそうで、実はそうじゃないんだな。たまたま偶然。
大学生になり、ディスコに狂っていた僕だが、「サタデーナイトフィーバー」のジョントラボルタの白スーツ、赤オープンシャツに憧れた訳じゃないよ。
一世風靡セピアがスーツに白Tで、「ソイヤ、ソイヤ…」とやってたのに便乗した訳でもない。
当時 ギバちゃん(柳葉敏郎)に似ていると言われていたことには、悪い気はしなかったけど…。(今のギバちゃんはねぇ~??)
ファッション上級者なんてものではなく、ただジーンズが苦手だった僕の心をトキメかせたのは、遊べるスーツスタイル。
スーツにシャツは楽ちんだったし、コーディネートが容易だった。大人っぽさと自由な感覚に惹かれた。黒スーツに黒T(カラス族と呼ばれた)はよくしたんだけど、ストイックなカッコ良さがあったな。
京都BALのSALEの時は、四条河原町まで数百メートル並びましたよ。
バイトで貯めたなけなしの金で、Y'Sのスーツを買ったことが懐かしい。当時僕のトレードマークは、Y'Sのスーツでした。昔話をし出すと止まらなくなるんだ。ゴメン、ゴメン。
今はもちろんイタリアンスーツがトレードマーク。
なんか最近スーツ屋やってて思うんだけど、一般的にはスーツに対する意識が段々保守的になってきていると感じる。無地系ロングシーズンタイプの指名が目立つ。
タイドアップして上質スーツをクラシックに決めることに関しては、永遠のスーツスタイルとしてこれからも続いていくだろう。
しかし、『スーツで遊ぶ』 って言うけど、ガチでそんな風に着てる人見かける?
ビジネスやパーティーを離れて、普段からお気に入りのスーツを着て街へ出かけたり、愛しのニキータとデートしたり、飲みに行ったり…。
今はジャケットなのかもしれないね。それはそれでいいんですよ。
でも、僕のイメージは違うんです。スーツなんですよ。
長年ずっと代理店でスーツをオーダーする時は、必ず「この生地スーツにしたらカッコいいだろうな、面白いだろうな」という発想が自然に湧いてくる。
売れないのは判ってるし、仕入れる勇気も最近はなくなってきてる。
そこで、無地系ロングシーズンタイプに走っちゃう。あ~ぁ、なんか悲しいなぁ。
とにかくアルバーノ隠れ理想スタイルを判ってもらいたかったんだ。
もし、「俺 スーツで遊びたいなぁ。」なんて洗脳されたら、今のSALE時は狙い目。
そんなスーツが店でゴロゴロしてるから…と言いながら、アルバーノの売り場を見渡す。
あまり飛んでるのはやめとくけど、この辺りなんかはどうかな。
サキソニーダーク系チョークストライプ、ネイビーベース ブルーチョーク太ピッチ(ピッチは太いけど紺色と同化するから写真で見るほど実物は大したことない。)
フランネルライトグレー(これならベーシック、インナーで遊べ!)
僕も着ています、グレーにブルーの大柄チェック(これはちょっと開き直りが必要。セパレートは安心。)そして、サキソニーブルーマイクロ千鳥。
全てデ・ペトリロのアンコン旧モデル。イイんですよぉ~これが。
遊びには贅沢なほど美しいアンコン。でも、遊びは遊びと考えましょう。
ハードル高いって?ノン、ノン、ノン。パンツはいて、ジャケット羽織るだけ。
それだけでカッコいいから。インナーはって?G・パッシーニさんなんか、最近 白Tにストールだけだって。一世風靡セピアなら多分裸でしょう。いやいや、シンプルに合わせてもいいし自由です。
僕の学生時代と違って、今はスーツがナポリですから。
ジャージースーツとも違う。アンコンテーラードスーツ(理想的な遊び)。
僕が店を続ける限り、遊べるスーツの精神はひっそりと店の片隅にたたずんでいるでしょう。
皆さんにとって1年で一番大切な一週間ってありますか?
僕は迷わずに答えます。
1月2日の初売り。SALEの一週間です。
「一年の計は最初の1WEEKにあり」 です。
いろんなモノが動きます。人、商品(服)、金…。いろんなモノと格闘します。心、自分、モチベーション…。短いようで長い1WEEK。
お正月にしか会えない帰省客との再会。人波につられて初めて入ってみた客。
そして、いつもの常連さん。ある時は初めての方に、僕の熱いイタリアントークが炸裂する。
そんなことをしてる場合じゃないだろう、と自分に言い聞かせ、スーツを見ている方に冷静にサイズを探す。
とにかく何が起こるかわからない予測不能の人間模様。体中のいろんなスイッチを切り替えながら、臨機応変に対応する。ストイックに。全てが全力投球。
とりあえず無事大切な1WEEKが過ぎました。
さぁ~て、今からは私、しばらくリラックスモードに入らせてもらいます。
自分リセットタイム。今月中はのんびりと発想転換しながら、夢の世界をさまよいたいと思います。
オヤジの夢。いくつになろうが大事ですよ。
若い時の夢と違う。ここでは言えまへん。言えまへん。
そんな訳で、店内商品が減った?んな訳ないだろ。
店内の写真を見て下さい。
沢山あるということは、サイズがバラバラで種類がいろいろあるよ。ということ。
どんな売れ筋でもあなたのサイズ1点あれば、ラッキー!
完売というものは意外と少ないかも。残った服(福)をつかんで下さい。
リラックスモード満載の僕の頭は、新しいアイデアのことでスキだらけです。
ということは、そこを狙って買い物すべし。
狙い的中なら、あなたは賢いハンター?