いろんなお客様がいる。面白いよね。僕達は仕事を通して、いろんな方の人生を見てきた。
僕が選んだものが皆様の小さな幸せになることを願って。
彼は、シーズンに2、3度現れる。もう20年位の付き合いになるのかな。数年姿を見ない時期もあった。僕は彼の個人情報、プライベートを知らない。
ぼくとつな感じ。口数は少ない。初めて来られた時から、まったく変わってない。当時20歳位だったとすれば、今は40位なのかな。生活感がにじみ出て、変わっていく人は多いよ。
僕は自らお客様のプライベートにふれないことをルールにしている。彼はいつも目的もなくあらわれ、
何か心に響くものがないか淡々と服を吟味する。
彼との距離感、スタンスは暗黙の了解。20年も見てれば、彼の嗜好は予測がつく。あまり踏み込まず、本人の感覚に任せる。(彼もそれを望んでいるはず。)
もし気に入ったものがあれば、試着してもらう。後は、彼のイメージを膨らませるヒント、言葉を探すのが僕の使命だ。そんなクールな距離感もいいよ。いいものが見つかった時は、彼の表情もゆるむ。言葉に出さなくても、お互いの信頼感がとりもつ20年だろう。
今日は、彼もトリコにしたNILOのジレ。ジレ専門の職人。ホントにここんちのジレは、ジャケットファクトリーやカジュアルブランドのジレとは、スピリットが違う。生地がヴィンテージだから?それもあるけど、とにかく着て感じてみて欲しい。きっとそのシルエットに、一般のジレとの違いを感じてもらえるはず。
ジレが主役をはれるんだ!シャツでもいい、タートルでもいい。Tシャツでもいい。合わせてくれ。ジャケットは脱いでいいよ。
僕は初めて袖を通した時、このジレの存在価値を理解した。
昨年と同じだけど(昨年は即完売。)、渋シックなジャガード。バリバリのヴィンテージ。バラのコーデュロイ。ビューティフルカジュアル。一番無難なブラウンジャガード。
NILOのジレが新しいカジュアルスタイルを提案してくれる。
気がついたらカフェの状況も変わってきたね。オリジナルな焙煎で一杯ずつ入れるスタイル。
今までのコーヒーマシンやエスプレッソのスタイルとは、ちと違う。本格的な味を求めて、人はカフェを選ぶ時代なのか。サードウエイブ。勝ち組世界的ナショナルチェーンもうかうかしてられなくなってきた。
15年位前のカフェブーム。複合カフェなんて言って、ショップインカフェが広まった。セレクトショップもカフェを併設。ファッションとカフェの融合。インテリア・音楽等の雰囲気作りがその店のセンスを左右していた。
しかし、資本投資、人件費等を考えると、決して運営は楽じゃなかったはず。足を引っ張って辞めていったカフェがほとんど。
昔から喫茶店好きの僕もブームに乗ったカタチ(自分ではそんなつもりはなかったんだけど。)で、2Fで8年営業した。なんとかトントンでやってたけど、洋服屋の状況もあり、後ろ髪をひかれる想いで閉店した。自分でそこまで気が回らなくなった。
やめて結構経つけど、今でも喫茶店に対する情熱は強いものがある。
こんなスタイルもいいし、あんなスタイルもいい。欲張りだ。今の喫茶事情なんてどうでもいいけど、僕は自分なりの居心地を追い求めている。
そんなタイミングで、今回手を挙げてくれる人が現れた。空間作りは僕に任せると言ってくれた。ちょっと急な展開に、今 四苦八苦している。それが、新しいプロジェクト。また状況報告するよ。
さて、本業の洋服。デ・ペトリロ。入荷は全て終わっている。
あとは売っていくだけだ。クラシックナポリラインとアンコンNUVOLAライン。
ジャケットは、NUVOLA。前回のエリコ・フォルミコラのジャケットと作りは同じ。でも、デザインは別物。好みは人それぞれだけど、デ・ペトリロが生み出した最新アンコンモデル。ハンドも盛り込んだアンコンは、ナポリ流儀。2マーク紹介するけど、どちらもツィード、ネイビー。ちょっと似てるかなぁ。織り感は違うけど、タイプ的には同タイプ。最初の方はやわらかいけど、粗いツィード。カラーはダークネイビー。後の方は細かい織りの薄手の生地。パープルのネップも入っている。両方共ビジネスもO.Kでしょう。
続いて、スーツ。ナポリモデル。安定感あるカッコ良さ。
ダークネイビー。細かい柄のサキソニー。オーセンティック。
もう一つは、1cmピッチのピンストライプ。3シーズンタイプ。キリっとした印象がシープな柄とマッチします。
駆け抜けた10月。一心不乱だった。9月が生ぬるかったんだ。
その反動で10月は張りつめていた。成果と課題。ハングリーに生きなきゃね。もうちょっと、もうちょっと。その不満が、いい結果につながるはずだ。やるときゃ、やらなきゃ。僕のやってることなんか、皆さんに比べりゃちっぽけなもんだ。
でも、僕には僕のキャパがある。その枠の中で、コントロールしていけばいい。
11月もいろんな事が待っている。マイベースな僕だけど、後悔しないようハイペースはキープしなきゃ。ウッシァ~!
なんて気合いを入れたところで、今日は新人クロージングブランドです。
「シャツのブランドじゃないの?」って。その通り。ナポリのシャツブランド“エリコ・フォルミコラ”。
ご存じの方もいらっしゃるでしょう。このブランドが、スーツ、ジャケットを出していることを。UAさんでは、7~8年前から展開しているはずです。
エリコが作りはしませんよ。あくまでシャツファクトリーですから。
最初にUAさんでこの服を見た瞬間、どこが作ってるのかは、すぐわかりました。そうなんです。アルバーノの看板ブランドデ・ペトリロが請け負っております。
当時8年程前エリコのシャツは、フェリージを扱うフィーゴさんから仕入れておりました。それがUAさんに移り、シャツは継続しております。エリコのスーツ・JKは、ガイオラ(現デ・ペトリロ)と同じだから仕入れる意味はないと思っておりました。
今年2月の展示会で、エリコのジャケットサンプルに目が留まりました。なんか柔らかそうなアンコンジャケットに、ちょっと変わったラペル。試着してみました。
着心地はデ・ペトリロのアンコンそのものですが、鏡にうつったそのデザイン、シルエットは、デ・ペトリロのコレクションのものとはまた違っていました。
「ナニ~?」(ちょっとオーバーに)、思わず笑いがこみあげ?ファーストトライすることとなりました。
なんでしょうか、これはこれなんです。何度も書きましたが、ガイオラ~ペトリロのアンコンは、目まぐるしくモデルチェンジしてきました。すべて名作ですよ。
でも、エリコのアンコンは別腹。あまりのカッコ良さに笑っちゃいましたよ。
でも、どこからどう見ても、ペトリロであります。なるほど、なるほど。でも、エリコはエリコ。
ペトリロ、エリコ、ペトリロ、エリコ…兄弟船?
まぁ、ヴェスティメンタ(そんなファクトリーがありました。)で作られたアルマーニということです。古すぎるか。ラルディーニで作られたパッシーニかな?
とにかく、色っぽいアンコンジャケットやなぁ。肩の作りは結構構築的。(ペトリロはシャツっぽい肩を嫌がるんです。)
スーツで作ってもいい感じ。2つボタンのセミピーク。それに1プリーツのパンツ。ジャケット1型。スーツ2型。スーツはブルーグレーのグレンチェックと濃紺にボルドーのストライプ(同化しそうな)。
ジャケットは、ジャガードのネイビー。
いやいや庶民派ナポリ服屋アルバーノに、新しいナポリブランドが仲間入り。
ペトリロはペトリロ。エリコはエリコ。そして、ティト。
トライアングルが厚みを増してまいりました。楽しみな展開。
ご期待下さい。
ディランがノーベル文学賞だって?ホントかよ。どうなんだろう。
名誉なことかもしれないけど、そんな賞をもらって喜ぶなんて考えられない。喜ぶファンいるのかな。
メロディーで勝負するミュージシャンもいれば、ディランのように詩で勝負するミュージシャンもいる。
反戦歌、反社会主義精神。それがロック。詩は大切だ。でも、フォークソングと文学性の関係は?
ディランは、僕も当然好きだけど、今のディランは60年代の詩人的ディランじゃない。ライク ア ローリングストーン。死ぬまでロッカーだよ。今更ノーベル賞と言われてもね。ディランの答えは風の中さ。
さて、今日はフェリージ。これ売れてますというフェリージを見せてもなんも面白くないし、そんなの紹介したくない。
フェリージっていろんな意味で、単純なバッグじゃないよ。ということを伝えたくて。どうしてもこういうワンアンドオンリーなモデルこそ、フェリージのアイデンティティーがあるんだ。
最近のお気に入り。アルバーノでは人気者。モデルナンバー12/41。ひと回り大きい1713は、トラベルよりのサイズ。こちらは、普段でも問題ナシ。このバッグの魅力は、つかみどころのない存在感。ガチガチのブリーフっぽさは皆無。ミリタリー調。何を作らせても、フェリージはフェリージでしかない。
僕はこのモデル持ってないけど、売れるまで眺めさせてもらうか。
さて、問題は色だ。さぁ、始まったぞ。代理店のショールームには、いつものように黒×黒のハードなヤツが鎮座する。
「どんな色に料理してやろうか。」フツフツと沸き起こる衝動。瞑想に入る。そんな自分をあざ笑うもう一人の自分。「お遊びでもいい加減にしろよ。」「遊んでないよ。ヒマ・ムダと考えたら終わりよ。」
一球入魂ならぬ一鞄入魂。その結果がコレ。
まずは、わかりやすい。こういうのは楽。イメージしやすい。ボルドー×紺。皮を紺にすることで、ボルドーが際立つ。シャープ。同じボルドーが鮮やかだ。目の錯覚。
次は、ノーマルに見える。「黒×茶だろ。」ノンノン、浅いなぁ。
僕がそんなベタな組み合わせを瞑想するかい。ライトと写真の撮り方で実物と違って見える。
ダークグレイにミリタリーブラウンの「MUD」という色。
わかるかなぁ。わかんねぇだろうなぁ。俺もアホやなぁ。
いつのようにフェリージの職人気質。ポップとシックの融合を見てもらいたい。ヒマとムダと余裕。
くだらないかもしれないけど、それもファッションだよ。
皆様こんにちは。本格的衣替えの季節ですね。
僕はと言えば、この前お話した通り新しいプロジェクト(私の趣味の世界です。)に向けて、驀進?切羽詰まっております。
新しい自信作、次々とご紹介していかねばならない大切な時期なんですが、思うように事は運びません。はがゆいなぁ。
おススメは目白押しです。さぁ、困った?こんな時に頼りになるのは、あの男。営業主任がいるではありませんか。彼の鍛えられた細マッチョボディ。アブラがのってまっせ~。
僕が着せる。彼がうれしそうに羽織る。シャッターをきる。
服が積みあがっていく。イイテンポやね~。主任、頑張ってくれてます。
でも、彼のショットで服がポンポン売れるほど甘くはありません。
彼は、プロのモデルではありません。ブロガー「北陸の伊達男」であり、2児の良きパパ。ハードな仕事も一生懸命こなし、そして、アルバーノの営業主任もつとめる。
彼の服を愛するその精神を激写することが、僕の仕事。(ただ撮っているだけなんですが。)
そんな訳で、今日は主任が出社ならぬ出店した時に、激写した今紹介すべきアルバーノ自信作をスナップ形式でお見せします。
トップをきるのは、以前ご紹介したステンカラーも好調なヴァルスター。「ヴァルスタリーノ」は、今ゲットするのが粋。流行りがひと段落した今ですよ。ブラウンとダークネイビー。
そして、おまんたせいたしました。入荷報告後の反響は想像以上のものがあります。シーラップ。
どうしちゃったの??ちょっととまどいながら、ショートPコートとウールステンカラー。普通のスタイルの人も別人に。スタイルのいい主任は、更に磨きがかかる。
まさに、コートのオブジェ。シーラップに装飾はいりません。
どちらもアルバーノを知る人以外は、見たことがないモデルでしょう。
これはまだ紹介しておりませんが(詳しくは後日ゆっくりと。)、今回から仲間入りしたナポリ友達のエリコ・フォルミコラ。シャツはず~っと前からやっておりましたが、クロージング(スーツ、JK、コート)も始めました。作りは、皆様お馴染みの、あそこです。だから、悪い訳はない。
新しい感覚。アルバーノの強力な新戦力。
これも初めての展開になります。BAFY。コレクションはすごい数です。
その中からセレクトしたモノ。ショールカーディ。フードつきブルゾン。ロングガウン。Vカーディ。
タイトなサイズ感。ジャケット、スーツ愛好家の主任ですが、ニットを着せても手抜きなし。
ラストを飾るのは、ジレ職人。NILOの立体的なジレです。