フェリージの代理店として知られるフィーゴ。
1987年創業時バブル期ですけど、イタリア服・雑貨を中心に輸入していました。
当時モード、デザイナーが主流だったイタリアンブランド全盛のなか、フィーゴはコルネリアーニをメインとしてあくまでクラシカル、トラッド目線のイタリアンファクトリーを扱っていました。
そのセレクションは、先見の明があったと思います。音楽・車・インテリア…趣味性を前面に押し出したLA GAZZETTA(直営店)の店内も大人のサロン風で、僕もかなりリスペクトしていました。
フィーゴには他の代理店とは何か違う自由な不思議な空気が流れています。昔から見るとかなり組織化されてはいますが…。これも一番長い付き合いがあるから、そう感じるのかな。
フェリージがクローズアップされ、かなりの年月が過ぎました。
洋服から離れていたフィーゴも、数年前から再び洋服に目を向け始めました。
これからじゃないですか。フィーゴ力が問われるのは。
結構前向きな話もチラっと耳にしました。ガンガンやりましょう。やって下さい。
フェリージのような隠し玉をまた見つけてきて欲しいですね。
フィーゴなら何かやってくれる。業界に風穴をあけてくれる。
こんな感じでフィーゴをもちあげたところで、今日は現在フィーゴが扱うアウターブランド「ASPESI」です。
ASPESIも今やトータル展開なんですが、基本アウターをおさえております。
言わずと知れたM65。ナイロンバージョン。
濃紺・ライトブルー・ベージュ。これからの季節、まだまだ活躍しますよ。
昔から続けているナイロンシャツジャケット。ネイビー。
そして、ナイロンステンカラーコート。ジャケットの上からでも一枚羽織っていい。シーラップまでは…という方にはおススメです。
ブラウンがかったグレー、ライトブルー。
変わりませんねぇ、アスペジ。ゆっくり売っていきましょうか。
まぁ、そんなアスペジもいいですが、これは挨拶代わり。
フィーゴの力は、こんなもんじゃありません。
これからが本領発揮。期待しない訳にはいかないでしょう。
しつこいって?
そいつがいるだけで、その場の空気が変わることがある。
別に目立たないし、華はないんだけど、なんだか気になる存在。
決して浮くことはないけど、鈍く光りを放つ。
まさにフェリージのバッグは、目立つマークやアイコンはなくても一目でわかるオーラを放つ。モチロンそれが人気モデルでなくても。
最近気になるフェリージ12/13、1761。お客様の視線も熱い。
このバッグのイケてるところ。
●皮より高価な高級ナイロン素材。
●軽くて沢山はいるところ。
●ブリーフでもなく、トラベルでもない。
●シルバー金具のシャレたストラップがロックンロール。
●底に皮がはってあり、鋲がうってある。
●ミリタリーでクラシックでスタイリッシュ。
●前のポケットの後ろに隠しポケットがもう一つある。
●何も足さない、何も引かない。
●ブランドバッグっぽくないところ。
●世界で一つしかない色のコンビネーション。アズーロ エ マローネはどうだ。
●色のコンビを考えるのに、店長ノイローゼになりかけたそうな。
●着ている服をひき立たせてくれるところ。
●インテリアとしてオブジェになる。
●愛着がわきすぎて一緒に寝たくなる…、ことはないか。
●これを持っていくと、セレクトショップの店員が「それ、どこで買われたんですか?」と聞いてくる。
●これを持っていくと、ブランドショップの店員の対応が良くなる。
●ハードボイルド!
●フェリージを知る人は必ず振り返って見るだろう。
●僕が使いたくてしょうがないけど、お客様優先なところ。
●ウインドーに出していると、10分固まっている人がいた。
●退屈な日常におさらば出来る…。
もし、あなたが今服に新しい刺激を求めているのなら、ティトのジャケットに袖をとおしてみるのもいいだろう。
雑誌を賑わせている人気イタリアンジャケットを一通り通過し、ちょっと退屈しているあなたに別次元のトランス感を与えてくれるんじゃないかな。
ナポリの磁場は強い。あなたが服好きであるなら、必ずいつかは引き寄せられるはずだ。
トレンドとはかけ離れた浮遊感が漂っている。
デ・ペトリロで体感した?そうだよね。いいんだよ、いいんだよ。
ナポリの風は、場所によって風向きが全く違うから。
今は、ティトの風に吹かれましょう。どうだい、新しいだろう。
脳からアドレナリンたれ流し。面白い。心地よいし、優しいよ。
玄人から素人まで、みんな納得のカッコ良さ。
ティトは、ナポリの粋人。服を愛し、古いモノを愛し、自由に生きている。
ルビナッチ、キトン、アットリーニ…いろいろ渡り歩いてきた。
その経験値が新しい服を生み出したんだ。
服を愉しむのに、理由はいらない。
高級なものである必要はない。
あなたが本当に服が好きなら、イタリアも好きだ。
あなたが本当にジャケットを愛するなら、ナポリも好きだ。
あなたがもしナポリが気になり出したら、ティトを好きになるのは時間の問題だ。
日本は新しいモノ、デザインが好物だ。一方イタリアの物作りは基本的に変えたがらない。
自分達の物作りの信念が強いのだろう。洋服、靴、車、家具…。自分達が作り上げた作品を育て続ける。そして、名作、傑作が生まれる。変わらない定番の輝き。
変えたがらないイタリアにあって、変え続けているジャケットファクトリーがある。
アルバーノの看板ブランド、ナポリのデ・ペトリロ。まだ7年の新しいファクトリー。
デ・ペトリロの7年(GAIOLAからスタートして)は、アルバーノの7年と言ったらオーバーだろうか。
7年間一部始終を見てきた。色んな変化を受け入れてきた。完成されてないのも若さだ、と言い聞かせてきた。「変わること」 楽しませてもらっていると前に書いた。それは本音じゃない。「変わる」魅力もあるけど、「変わる」ことへの不安も当然あるよ。表裏一体。
名前は変えないほうが良かったな。「GAIOLA」で浸透してたから。
クラシックモデル「NAPOLI」は色んなデザインを試した。基本変わってないけど、デ・ペトリロに名前が変わった時、袖付けを前に変えた。日本人向けに。
万人にウケるようになった。それはいい変化なんだろう。でも、僕個人としては、GAIOLAの時のNAPOLIも好きだったんだ。後ろ肩が合わなかったのかなぁ。ちょっと複雑。
そして、アンコンジャケット。副資材のない、軽いジャケット。これは変わったよ。
変わりまくっている。最初のアンコン「AGO E FILO」が5年前。その2年後に「MEDITERANNA」登場。半年後なくなるが、襟付けを修正してもらい、アルバーノ別注「Mモデル」ができる。
そして、昨年春、新アンコン「MARINA」登場。ワイドラペルとハイゴージ。ちょっとクセのあるデザイン。その秋、襟のデザインをおとなしくしてNEW「MARINA」に改良。
そして、今春、新作「NUVOLA」が完成。めまぐるしいでしょう。このブログでは全て紹介していますが、買われた方以外覚えてないだろうな。
この変化はどうだ。魅力なんだろうか。他のブランドにはみられない、社長ベニーの研究熱心さは魅力だ。でも、ここまで変える必要があるのか?日本市場を見ているから?誰かが糸をひいているのか?
残念なこともある。ペトリロを見続けた僕から言わせてもらうと、「AGO E FILO」、「Mモデル」、「MARINA」全て傑作だ。名作のオンパレードだよ。
こんな個性的なモデル、他のファクトリーの作れるか?もっと大切にして欲しい。
襟元にバッチをつければいいってもんじゃないだろう。もっと本質を見ようよ。
ゴメン、ゴメン、話がズレそうなので…。本当もったいないんだよ。こんな名作をおしゃかにするのは。全てが個性あふれる表情を演出してくれてた。
新作「NUVOLA」に不満がある訳じゃない。これはベニーのアンコンの集大成さ。
クラシックモデル「NAPOLI」により近づいた。アームホール、袖口、裾、ペンツ、襟裏の5か所ハンド。より幅広い層に受け入れられる新しい傑作だ。
これからのペトリロのアンコンは、この「NUVOLA」で勝負だ。
1回目はウエイトのある肉厚アンコンを紹介した。
今日は軽いタイプ4マーク。
まずは、光沢のあるネイビーブルー、ドビー柄。光のあたり方で、かなり違った表情になる。
続いて、リネン100のウインドーペン。ベージュは、白いラインで優しいタイプ。ネイビーは、かなりコントラストがでます。
最後は、ブラックのベーシックコットン。ちなみにパンツもあり、セットアップになります。
ペトリロは、確かに若い。完成されてないのはデザインの話。
でも、ファクトリーとしての技術力は、立派に完成されてます。
だから、こんなにこのブランドに賭けてるんだ。
愛しすぎるからの苦言だよ。