最近色んなファッション雑誌に目を通すのですが、スナップが多いですね。
そして、感じるのはファッションの多様化がますます進んでいる、と同時にミックスチャー、クロスオーバーなスタイルが増えてきています。それだけ個性的になっているのでしょう。勿論セオリー通りという方も多いですが。
トラッド、クラシック、モード、ミリタリー、古着、アメカジ、イタリアン、フレンチ、そして日本。いつの時代も人とは違ったミックスコーディネートをする人はいましたけど、キメるより着くずすという時代になってきたんだなぁと感じます。
ファッションに限らずいろんな分野で、ミックスチャーを取り入れるのが上手いのが日本らしいのかも知れませんね。
そんな日本人のニーズに応えるべく、店(セレクトショップ)のあり方も多様化していくのかもしれません。僕達のセレクトも生き残りをかけ感性が問われていくでしょう。お客様のファッションスタイルから僕達が吸収しなければいけないこともでてきています。
イタリアにこだわる当店としては、その道を進むことが正解なのかどうか?
答えは風の中にあります。でも、結論的に何が売れるかウケるかを探る道はもう捨てています。
今は自分のマインドの趣くままに、感性に従っていくだけです。それがイタリアであり続けるとしても。
そんな僕のマインドがイタリア・ナポリという街をさまよって数年が経ちます。
なんでしょうかねぇ。何がそんなにこのオヤジを手招きするんでしょうか?おいで、おいで…こっちへおいで。
この土地の磁場は強力です。まだ足は踏み入れておりませんが(近々必ず)、魂だけは完全にワープしさまよっております。
そのきっかけになったのが、今は当店のメインブランドGAIOLA(現デ・ペトリロ)との出会いです。ずっとイタリア服を扱ってきましたが、GAIOLAを入れてから、今までのイタリアとは何か違う空気が入り込んできました。ナポリの磁場。
僕がナポリのこと、ナポリ服のことを語ろうなんて、めっそうもございません。
ただ一つ言えるのは、GAIOLAが本物の服(あえていわせてもらうと)への近道をエスコートしてくれたのではと思うわけです。
それは過去に出会った数々のブランドとは違うんです。イタリアを教えてくれたものはいくつもありました。それはそれで満足でしたけど、その先の本物を意識することはありませんでした。
デ・ペトリロ、Gabo(前回紹介)を着てみて、本物って何だろうと考えさせられました。何が本物だなんて定義なんてありません。ナポリだけに本物がある訳でもありません。
ただ、そこに意識を向けられただけでも服の奥深さを知ったように感じます。
本物とは縁がない僕がこんな話をしても説得力がありませんが、服好きのはしくれとして皆さんにもそんな感じを知ってもらえたならと思います。
デ・ペトリロはナポリサルトの流儀を受け継いではいますが、それをベースにした現代的なスタイルを目指しています。敷居は高くありません。そのスタンスは、他のナポリブランドには見られないものです。
革新的でどんなスタイルのファッションにも溶け込める器用さもあります。始めに書いたミックスチャースタイルに自然と溶け込んでいくでしょう。
そのキーポイントとして、さりげな~くナポリを故郷を本物を醸し出してくれるはずです。
今回デ・ペトリロはオーダー分がほとんど入荷しています。早いです。
僕が紹介するのが遅くなりました。
今回第一弾としてジャケットから数点ご紹介します。
まずは、今春登場した傑作アンコンモデルMARINAモデル。ブルーネイビーのミックスツイード。ライトウエイトな着やすさ抜群。
続いて、正統派ナポリライン3パッチのPOSILLIPOモデル。ダークベースにブラウン、グリーンのチェックがシックな印象。
3番目は、アンコンMARINAモデル。かなりウエイトのあるバイアス織りインディゴ調。実際の色はもう少し青いです。長いシーズンO.Kです。
ラストは、MARINAモデル。ブラウンベースにボルドーのグレンチェック。大人シックなチェックです。
おひかえなすって!ワタクシ、生まれも育ちもイタリア、ヴェネツィアでございます。
スローウエアで産湯をつかい、姓はザノーネ、名はFUJI。人呼んで、ルーズネックのFUJIと申します。
今日入荷したばかりのザノーネ・ミドルゲージのNEWフェイス登場です。
流石ザノーネ、憎いねぇ~。こういう僕好みのモノをサラっと出すんだもんなぁ~。
ウ~ン…、KA・N・GE・KI!
すっかり忘れてました。半年前、代理店でこれを見て興奮したことを。
なんですかっ、この襟は!超ハイネックにボタンが4つのプルオーバー。襟が主張してます。襟を制するものは、全てを制す。が僕の持論。
KYOTOもRENO(ショールカラー)もそうですが、襟のリブが高い。
やはり、これが売れ筋のポイントじゃないでしょうか。襟とかなりタイトフィットなボディとのバランスも最高。
やはり、ザノーネにしか出せないイタリア~ンなデザインとクラシックな絶妙なハーモニー。前から書いてますけど、ザノーネにはアルマーニの色気がほんのり香るんです。
色には悩みましたが、ネイビーとグレーの2色でいってみました。相変わらず飛ぶ鳥落とす勢いが続くザノーネミドルゲージ。
アルバーノ流カジュアルコーディネートは、やはりこーでねーと。
KYOYO、DV(タートル)、RENO(ショール)に続いての僕好みのルーズネックのFUJI。
今後おみしりおきを。
夏が終わろうとしている。何かもの悲しさを感じるこの季節。
ナポリから心躍る、新しい服が人知れず上陸した。Gaboというブランド。
耳慣れない名前である。有名だろうが、無名だろうが、どうでもいい!
コマーシャリズムには乗って欲しくない。
ようは着てみて、Gaboをどう感じるかだ。フォルム、ディティール、、着心地、雰囲気…。鏡にうつる姿は正直だ。全てをさらけ出す。
僕が初めてGaboと出会ったのは、まだ半年前。その時の心境はブログに書いた。
今まで着てきた服とは別次元のもののように感じた。風格がある。どっしりとした印象。もうすでに完成されている。
ハンドワークが手にとるようにわかる。北の人気服とはあきらかに違う。
ナポリ仕立ての流儀。ナポリの奥深さ。
フィルムノアールのセピア色した映画の世界を連想するかもしれない。
かと思うと、現代的スタイリッシュな一面も持ち合わせる。
つかみどころのない微妙な立ち位置。デ・ペトリロにもそれは言えるが、テリトリーは違う。
まだ、立ち上げて2年である。それでこの完成度はどうだろう。ファクトリーとして黒幕でたたき上げた自信だと思う。
今回ジャケット2マーク、スーツ2マーク。少ないけれど、このブランドはこれくらいでちょうどいい。
スーツはもう1マーク入ってから紹介するよ。
ホップサック調の紺ジャケのシングルとダブル。
新しいチャレンジ。頑なにプライスにこだわり続けてきたが、もういいだろう。
これは僕でもお金を出す価値のある代物だと思う。
わかる方なら、「これでこのプライスはむしろ安すぎるんじゃない。」という声も出るはずだ。
じっくりと少しずつ提案していくつもり。
あとはスリルとアドベンチャーを愉しむだけさ。
東京から戻った翌日。土曜日の11:00A.M。
今日は大変な一日になりそうな予感はしていた。
運送屋から次々と荷物が届く。またたく間に店内に積み上がった。
僕のテンションのメーターも最高潮。
丁度そのタイミングで、予定通りアルバーノ北海道支店長が来店。
5年間勤めた北海道勤務を終え、最近新天地に赴任した。(また、本人から正式発表があるでしょう。)最近は本業が多忙の為、ブログの更新もままならないらしい。環境が変わり少し精悍な印象に。
「これから、またスーツ着て仕事できるから楽しみですよ。」と笑顔ではにかんだ。
そうですよ。やはり男のスーツは作業服ではありませんから、イタリア服で楽しみながら仕事できる幸せ。モチベーションが違いますよ。
アルバーノとしても、この機会に彼の新しいポストを考えないと。エリアマネージャーあたりでどうでしょうか?
8月最終の土曜。次々と来客。お目当てはモチロン秋冬新作。僕も接客に追われる。相棒と支店長は、大きなパッキンを次々と開け空いたスペースにブツを詰め込んでいく。支店長に品出しをさせるなんて…、申し訳ない。
予想通りバタバタ状態。来客も入りたてのイキのいい服に囲まれ、酒地肉林。
秋冬第2弾なんですが、第1弾に続きデ・ペトリロ。早くも完納に近い70着入荷。インコテックス、ザノーネも売り場に出しきり、フェリージも大量入荷。巻き物もシャレオツなヤツ大量、大量。
ありがとうございます。ありがとうございました。宜しくお願いします。
さて、接客も一段落した夕方。支店長の目が輝く。恒例の試着大会の幕開けだ。
さぁ、どこからいこう。まずは、ジェルマーノのオフ白コーデュロイなんかで軽くかましといてからの本命の取り置きしてあるカンタレリのウィンドーペンスーツ。ピエトロのシャツにビジのタイで準備O.K。
決まってるね!ヒザ下からスソ巾18㎝で調整することに。お気に入りの柄に支店長ご満悦。今日入ってきたO.V.Sの赤のニットベストがハマった。
ちょっとリモコンで早送りしましょう。3時間経過。
その間、デ・ペトリロに酔いしれる。5坪のクロージングコーナーに200着を超えるデ・ペトリロ。パンツを変えては、デ・ペトリロ。インナーを変えては、デ・ペトリロ。
マリーナモデルが軽い、Mモデルが色っぽい。
時折、大物新人GABOの高性能服に感激の嵐。
今回おススメのジェルマーノのドロストパンツを勧める。はいてビックリ、恰好イイネ~。
いつの間にか僕の手にはザノーネのKYOTOを持っている。トップスを次から次へ。
アルバーノ必殺“あなたも着せ替え人形接客”炸裂だ!
久し振りに支店長も技をくらい、身動き出来ない状態。きいてますねぇ。
“着せて、着せて、着させて、脱いで~やがて、男は静かに悩むのでしょう”
次々と積み上がっていく洋服。懐かしい光景。
昔は、よく激写させてもらいました。専属モデルでしたから。
そんなこんなで気がつけば、もうこんな時間。
「今日は十分堪能しましたよ。」と支店長。その言葉が僕達の仕事のモチベーション。
「今度は10月位に来ますよ。」と、残して彼は帰って行った。
時の流れは早いもんだ。支店長が初めてアルバーノを訪れ、8年の年月が経つ。
こうして離れていても常にお互いが気になる存在だ。お客と店。本店と支店長。まぁ、そんな関係を越えた不思議な空気が流れているんだ。
8月29日はものすごく熱く濃い一日になった。