今シャツが難しい。スーツ屋アルバーノとしては、クロージングの相棒として最重要のパーツ。シャツはアートだ!ファブリック、デザイン、モデル、いろんな角度から楽しんでいる。カミチェリア(シャツ工房)の味つけは、一つ一つ違う。
ここ数年主力シャツブランドは固定され、それに加えて更に新しいブランドの台頭等選択肢も増えていた。いい感じだった。
とこらが、最近になって主力ブランドの値段が高騰。ボリューム展開できる状態ではなくなってきた。あくまでプライス重視という点は譲れない。目線からずれてきた。
ドレスシャツの主力ブランドも、生地屋の経営問題からか生産困難な状況になってきた。僕達のシャツ構成をもう一度見直すタイミングなのかな。
そんな中昨秋より一つのカミチェリアが浮上してきた。
ナポリ最古参のカミチェリア「ヴィンツェッツォ ディ ルジェッロ」。舌をかみそうな名前。1920年創業だから、ほぼ100年。以前からいいという噂は聞いていたが、ついにアルヴェスティが代理店としてついた。
昨年暮れの12月。アルヴェスティのプレコレクション。そこにルジェッロの社長が来日していた。大きい体にするどい眼光。近寄りがたいオーラがあった。
営業のMさん、「彼はイタリア人にしては真面目で、全然面白ない奴ですねん。」
イタリア人だからみんな人なつっこい訳じゃない。真面目でおとなしいイタリア人も多いだろう。
僕が生地ブックを見ていると、横からカタコトの英語でクールに優しく説明してくれる。せいかっくがどうだろうが、問題はシャツだ。
その大きなブックにはものすごい量の生地が張ってある。全て持ち生地で、「この中から選んでくれればサービスするよ。」という甘い囁き。
「のった!」僕の眼が輝く。怖い社長の顔がエビス様に見えた。
ベーシックなものを中心に30マーク程ピックアップ。おまけに、すぐに作らせるからクリスマス頃には納品できるよ。」との事。
オールシーズンタイプのもの10マーク、とりあえずドレス・カジュアルとオーダー。年は越したが早々に入荷した。
このブランド、特にカジュアルモデル、ドレスモデルの違いはない。リクエストとして、洗いを強くし、ノンアイロンでカジュアル感を出した。
完成度は素晴らしい。今まで扱ってきたシャツ沢山あれど、トップクラスの出来映え。肩周りのフィット感、着心地抜群、5か所ハンド。これでこのプライスは有難い。
白地にブルーのストライプ、ジャガードの白は、ウォッシュドタイプ。白のオックス、光沢感のある白ベース、サックス無地、薄いピンクのジャガードは、ドレスモデル。どれも高級感のある生地。襟型は、2種類。
今回のトライアルオーダーで、皆さんに喜んでもらえるシャツであると確信した。
今春の正式オーダー分は、3月に入荷予定。
今後は当店の主力シャツとして、沢山のアートをお見せしていきたい。
2月に入りました。ここ北陸例年なら1月後半から2月初旬にかけてが、降雪のピークになります。年始にガツンと降ったせいか、今年は穏やかですね、今のところ。
そんな訳で、2月もガッツリ冬モードなんですが、春の便りもそろそろ届き出しております。お約束通りそろそろ春物をお披露目のタイミングですね。
いつもでしたらクロージングコーナーに到着ホヤホヤの匂い立ちそうな新作が、パッキンから出され早くナイロンをはずせ、と言わんばかりにエネルギーをチャージしているリアルな光景をお見せしております。
なぜ、ナイロンをはずさないかって?入荷してパッキンを開けた時の僕達の感動を、LIVE感覚で伝えようという想いであります。
新しい服との出会いのスリルと感動をお客様にも届けたい。そして、ナイロンの中にはどんな洋服がひそんでるんだろう、と想像してもらえればと思います。
決してお客様をあおってる訳ではありません。
ボリューム感を出すように写真を撮ってるんじゃないかって?
そんなことは…どうでしょう?
いやいや、第一弾の入荷はいつも大漁なんですよ。狭く深くのアルバーノのメインブランドの第一弾の入荷、氷見の港に寒ブリが初めてあがった時のような一大イベントなんです。それは神聖なものなんです。(相変わらず大袈裟。)
「まぁ、前置きはいいから。いつものナイロンに埋もれた写真はどうした?入荷したのか、どうなの。」
ですよね。それが現状、まだ少々という状況でございます。ここまで引っ張っといてご期待にお応えできる程の量ではございません。
ボリオリが少々。気張って我を忘れて大量オーダーしております、メインブランドのデ・ペトリロ。
実は、トラブルがありまして、まだ30着程度。(いつものファースト入荷の半分以下)。ボリューム勝負の当店といたしましては、例のナイロンショットには物足りません。
ただ、後続の入荷も控えていることでしょう。まだ、冬物・合い物も売り場を占めていますので、ナイロンははずさずにおきましょうかねぇ。
他店さんより紹介が遅いだけに、出すときはボリュームショットをお見せしたいですもん。
クロージング以外では、フィナモレ少々、今回から大プッシュ予定のナポリの老舗カミチェリア、「ルジェッロ」。ドレス、カジュアル30枚。
昨秋紹介しそこねました、ベルウィッチのパンツも入荷しております。
シーラップのスプリングコートも近日入荷予定。と言ったところです。
北陸の冬は長い。3月までは冬モード。あと2か月は冬スタイル。今のスタイルが大事。今をどうするかだ。このタイミングで新しい冬服を楽しむのもいいじゃないですか。春物を本格的にご紹介するのは2月と考えております。今はリアルタイムなお得冬物を探すのが賢い。
アルバーノで探すものは?黄昏の一匹狼ウヨウヨしてますが、その中でアルバーノスタイルの目指すものは、スーツを着くずすカジュアルスタイル。
難しいようで簡単。簡単なようで奥が深い。この永遠のテーマを自分のものとするには、いろいろトライしてみることです。
そんな訳で、数点の一匹狼をご紹介します。黄昏の遊べるスーツ達。どう遊びましょうか。
①遊べるスーツは、季節感が大切。冬には肉厚素材。春はリネン系素材。
②とりあえずスーツとカジュアルインナーを合わせれば楽勝。誰でも出来る。
③その時に重要なのは小物。チーフ、ストール、アクセサリー、ジレ、グラス…。合わせのセンスは自己流に。靴、ベルトも勿論遊べ。過剰な合わせはNG。あくまでさりげなく2~3か所。
④インパクトのあるスーツほど小物、インナーは抑えよう。
⑤単品使いは柄の色をひろうのが原則。
⑥単品パンツが難しい時は穿いていって、いろいろ合わせて実戦で選ぼう。
⑦遊べるスーツは、カジュアルなものとして割り切れ。だからお手頃プライスがいい。ちょっとクセのあるものは、目立つので早く売り場から抹殺したい。(売り手の本音)。価格交渉もアリかも。
特に目立つ遊べるスーツは残ってませんが、肉厚系素材のスーツ4点ピックアップしてみました。
まずは、GAIOLAのブルーグレーに細かい千鳥柄。個人的に好きですねぇ。好きな方は飛びついて下さい。サイズ44。
次もGAIOLA。紺のグレンチェック柄。かなりウエイトのある素材。こういうベーシック系遊びスーツは、当然着回しやすい。サイズ42。おススメですよ。
3つ目もGAIOLA。ライトグレーグリーンのヘリンボーン。サイズ48。かなりグレーっぽいんですが、この中間色はちょっと手ごわいかも。ただ、私も着ていますがスーツ中心で、オン・オフ使い回せば、かなりお洒落度高し。
ラストは、BOGLIOLIの濃紺(限りなく黒っぽい)のダブルのフランネル。DOVERのダブルですが、前からしつこく言ってますが、ナローラペル・浅いVゾーン。この一目でわかるダブルは、すごくスタイリッシュなんだけどなぁ。着回し度№1的フランネルダブルスーツ。サイズ44、46。
この時期店内の限られた在庫の中で、なんとか着まわしてみました。
とにかく、このタイミングだからこそのお買得のカジュアルスーツ。お洒落度上級者へのトライアルしてみませんか?
価格交渉もトライアルかな。(余計なことを)。