不定期に現れるマイノリティー・FILIPPO DE LAURENTIIS×FINAMORE
「名前何だっけ?忘れた!まだ生きてますか~。」
「どちらさんでしたっけ?俺も名前忘れたから、知らない者同士にしよう。」
これがお決まりの挨拶だ。
「また、そんなどこではやってんのよ。似合ってないなぁ~。そんなラク~なカッコの奴は出入り禁止だな。スーツ着まわしてる方がラクだと思うけど。」
「スーツなんて処分しましたよ。必要ないですから。人間変わらないと。」
結構前に彼のことを書いた。付き合いはかなり長い。
彼とは洋服屋と保険屋の関係から始まった。
「相変わらずジャングルですねぇ。洋服、音楽、アート、インテリア、このごった煮感が長谷川イズムですよ。」
褒められているのか、けなされているのかもわからない。まあ、どうでもいいんだけど。
でも、そんな僕のアイデンティティに目を向けてくれるだけでも、僕自身はまんざらでもないようだ。
「これ最近買ったんだ。こんなの買う奴俺くらいだろう。俺の心をつかんだんだから、俺の負けだよ。」
「僕達マイノリティからは抜けられませんね。ビッグにはなれませんよ。その道を突き進むしかありませんもん。」
妙に彼とはマインドが一致する。しゃべるだけしゃべって、特に服を見ずに帰っていった。
そんな来客があってもたまにはいい。
今日は、フィナモレのシャツとフィリッポ デ ローレンティスのニット。
ザノーネのキョートが高くなり、その代わりとして目についた。
フィリッポのヴァルスター型カーディ。ウール100。杢調の2色。
ダークグレーとミディアムグレー。シルエットはバッチリよ。
フィナモレからは、襟型SERGIOで2マーク。
わりと張りのあるマットな生地の白。秋冬用生地のコットン×ウールの生地、ヘリンボーンの微妙なグリーンカラー。