スーツ屋を背負っていく人生もいい
前回、展示会マンネリ発言したけど、アルバーノはイタリア服と心中していくと決めている。
どんなにイタリアンファッションが変わろうが、スーツ、ジャケットスタイルは永遠だ。
ジェントルマンにとって、ジャケットは自分の分身だから。
僕の天職はイタリアのスーツ、ジャケットを世の中の多くの男性に勧め売ることである。
長年続けているが、その内容は変化してきた。
ナポリの服と出会い、また新しいイタリアを発見した。そんな高級サルトなんか知らないよ。
いつも言っている庶民が手を出せるプライスの魅力あるイタリア服。
毎日ナポリのジャケットはおって鏡に映し、感じる幸福感。
江戸末期、現在の場所で呉服『井澤屋』を立ち上げ、爺さんが『洋服えびすや』に変え、
四代目の父が後を継いで僕が生まれた。
小さい頃、店の広いスーツ売り場でかくれんぼをするのが好きだった。そのせいで、物心ついた時から
オヤジが一生懸命客の男性にジャケットをはおらす姿を見てきた。
大学生になり、バイトでためたお金でDCブランドのジャケットを買い、ディスコでフィーバーしてた。
ご先祖様に洗脳されたのかもね。
こんな僕がスーツ屋(セレクトショップとは違うよ)に生まれたのは、単なる偶然なのか?
一般的なセレクトショップはトータルバランスが大事。でも当店は店内の半分はスーツ、ジャケットだ。
それは僕の脳裏にオヤジのスーツ屋の残像がこびりついているからかもしれない。
昔、沢山あった個人のスーツ屋は今ではほとんど見かけなくなった。オーダースーツ屋は盛況のようだ。
今秋から、一番力を入れているGABOのシルエットを少しいじった。
より完璧にする為に。(僕は今のままでもよかったが)
まだご対面していないが、待ち遠しくて仕方がない。この楽しみは何にも替えがたい。
展示会のコレクションを見る以上に・・・
だって、うちだけのナポリ製オリジナルジャケットが出来るんだぜ。
コスパ最高!GABOはもっと評価されるべきブランドだ。
今秋スーツ屋がまた一つ新たな隠し玉を提案する。こんなのどうだ!
うちのオヤジは無口で、あまり会話はなかった。
「オヤジ、まだスーツ屋をやってるぜ。喜んでくれるかい?」
オーダー屋でも洋品屋でもセレクトショップでもない。
ただ僕は生まれたんだ。ここで。スーツ屋で。