2022/12/24
ずっとそばに置いておきたい冬の相棒・シーラップ、ステンカラー
何の変哲もないメルトンウールのステンカラーコート。
ただひとたびこのコートに袖を通せば、皆 目が輝く。
体はゆるやかな曲線に包まれ、スリムな立体感が現れる。
連続する曲線が、コートに躍動感を吹き込む。
トレンドとは無縁だけど、古臭さは感じない。
この超シンプルなコートが打ち出す表現力には、作り手の技を称賛せざるをえない。
そんな作り手の技に魅了され、多くのデザイナーが作品の製作を依頼する。
このコートメーカーは、クライアントの難しい要求に必ず応えてくれる。
そんなハイブランドのOEMを請け負うシーラップ社。
もう1社別のファクトリーがなくなった為、シーラップにはOEMの依頼が殺到しているようだ。
そんな理由もあり、我がアルバーノ別注の看板ステンカラーコートが作ってもらえなくなるかも、と代理店から聞いた。
「えっ、そんなウソでしょ?!」十数年間モデルを全く触らず、作り続けてもらった店の顔である。当店に来店されたお客様ほとんどに半ば強引に羽織ってもらった。そして、売れた数は計りしれない。そのおかげでネット販売もやらないこんな店が今までやってこられたんだ。
僕が商いをやめるまで、ずっとそばに置いておきたい。
毎年年末にラブコールを送ってきたが、今年はそんな訳でまだ送ることができていない。
何の変哲もないメルトンウールのステンカラーコート。
最後の花道であるのなら、大切に売っていきたい。
ホントに永遠の別れ...なんてしたくはない。